\ 水溶紙について “2分” で簡単解説 /
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水溶紙とは
水溶紙とは、紙が水に濡れて破れやすくなる性質を極限まで高めたもので、水に触れると短時間で溶ける特殊な紙です。
この特性から、使い捨て製品や、一時的な用途に適した素材として利用されています。
水溶紙が水に溶ける理由は、紙の繊維の構成にあります。水溶紙の原料は一般的な紙と同様にパルプです(木材を細かく砕いた繊維)こちらの細かい繊維が絡み合って構成されています。水溶紙の場合はこの繊維素材の結合が弱く、繊維と繊維の結びつきが非常に離れやすくなっており、水に触れるとすぐに繊維が解れバラバラになる(素早く分散し溶けたように見える)よう計算され造られたのが水溶紙です。
水溶紙は特殊な製造方法によって水に溶けるようになっていますが、水に濡れていない場合は、一般的な紙と同様に扱うことが可能です。(破れやすいものも一部あります)
B5サイズの水溶紙で実験
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家庭用のプリンターでも印刷可能
ボールペンなど筆記も可能
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実際に水につけてみると…
あっという間にバラバラに!
水溶紙のメリット・デメリット
水溶紙のメリット
環境にやさしい
水溶紙は、従来の紙製品とは異なり、水に溶けて環境に無害な成分に分解されるため、環境に優しい選択肢として広く利用されています。環境への影響を考慮した製品開発の需要が高まる中、水溶紙の利用範囲は今後も広がっていくと考えられます。水溶紙を使用することで、環境への配慮をアピールし、企業のサステナビリティ戦略にも貢献できるでしょう。
衛生的
一度使った後はすぐに捨てられるため、常に新しいものを使うことで衛生的な状態を保つことができます。
便利
水に溶ける性質を持つため、トイレットペーパーは、使用後にトイレに流すことができます。また、携帯用のウエットティッシュなども、水溶性を活かした商品が販売されています。
水溶紙のデメリット
強度が低い
水溶紙は厚みが薄く、柔らかいため、強度が低いと感じることがあります。そのため、ある程度の力を加えると破れたり、すぐにほつれたりすることがあります。
一般的な紙に比べて高価な場合
水溶紙は繊維素材の種類や配合量によって、性質が異なります。そのため、高品質なものは価格も高く、コストがかかる場合があります。
水溶紙の用途
水溶紙は、その水に弱い性質を活かして、さまざまな用途で使用されています。以下では、その代表的な用途を紹介します。
医療現場
医療分野で幅広く活用されています。具体的には、綿棒や医療用検査台紙などに使われています。
家庭用品
水溶紙は、家庭用品にも用いられます。特にトイレットペーパーは水溶性があるため、トイレに流せる利便性があります。
また、最近では、キッチンペーパーやティッシュペーパーなどにも水溶紙が使用されることがあります。これらの製品は、使用後も紙くずが出ず、環境に配慮した製品として注目を集めています。
農業や園芸
水溶紙は雨や土中の水分によっても溶けるため、農業や園芸用途でも活用されています。種子を紙に包んで土に埋めると、水が与えられると同時に紙が溶けて、種子が適切に発芽します。また、配置図に使用した場合は、紙を取り除く手間がかからないため、作業効率が向上します。
ラベル用紙
水に触れると溶ける性質から、ラベルにも使用されます。水溶紙をラベルに使用すれば、水をかけるだけで跡も残さず簡単にラベルを除去することが可能です。
上記で紹介した用途以外にも、「こんな用途で使える?」「この場合は何を使ったらいい?」などの疑問点や不安などがありましたら、機能紙選定ナビにご相談ください。
水溶紙の加工
水溶紙は一般的な紙と同じように加工ができます。
印刷加工
水溶紙は印刷にも対応しています。オフセット印刷をはじめ、あらゆる印刷ができます。コピー用紙として使うこともできます。また、筆記性もあります。
製袋加工
水溶紙にはヒートシール性があるので、袋状にすることができます。
貼り合わせ加工
貼り合わせができるので、箱状や筒状の硬いケースをつくることができます。
断裁加工
一般的な紙と同じよう切断加工ができます。ご要望に沿ったサイズにカットすることも可能です。
穴あけ加工
水溶紙の穴あけ加工は、通常の紙と同じように穴をあけることができます。ただし、水溶紙は通常の紙よりも柔らかいため、注意が必要です。
水溶紙の選び方
一般的な紙でも何日も水に浸けていれば、いずれは溶けます。しかし、一般的な紙と水溶紙では溶けるまでの速さが圧倒的に違います。
水溶紙は繊維の結合が弱く水に素早く溶けるため、逆に結合を強くすれば、ある程度の時間、水にふれていても、その形態を保つことができます。
溶けて無くなるまでの「速さ」は水溶紙の種類ごとに異なる為、水溶紙を選定するポイントの一つとしてこの「速さ」が挙げられます。
以下では、機能紙選定ナビで取り扱いのある水溶紙をご紹介します。
日本製紙パピリア 水溶紙
MDP
分散性(溶ける時間)を究極にまで高めた水溶紙。
CD-2
分散性(溶ける時間)を遅くした水溶紙。
A3015、A3030、A6015
ヒートシールが可能。
日本製紙パピリア 水溶紙 特長
- 冷水にも温水にも速やかに分散します。
- 海水にも分散します。
- アルコールには分散しません。
- 印刷適性があります。
- 製袋加工適性があります。
- 筆記性があります。
日本製紙パピリア 水溶紙 使用例
- ラベル用紙
- 流し灯籠
- メモ帳
- 播種シート
- 熔接用ダム紙
- 紙管
- 医療用検査台紙 など
まとめ
水溶紙は水に溶ける紙として、さまざまな分野で活用されています。
水溶紙を選ぶ際には、水に溶けるまでの速さや加工適性などが重要なポイントになってきます。
特徴やメリット・デメリットを理解した上で目的にあった最適な水溶紙を選びましょう。
水溶紙でお悩みなら機能紙選定ナビにご相談ください。
水溶紙をお探しの企業様へ
水溶紙については弊社にご相談ください。ヒアリングを行い、お客様の用途に合った最適な水溶紙をご提案いたします。
機能紙選定ナビを運営する株式会社田村商店は1753年の創業以来、今までずっと「紙」に携わってきました。これまで築き上げてきた歴史と経験で皆様をサポートしてまいります。
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