\ 耐水紙について “2分” で簡単解説 /
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耐水紙とは
耐水紙とは、水に強い紙のことを指します。一般的な紙製品は水に弱く、水がかかるとすぐに破れたり、汚れたりすることがありますが、耐水紙はそのような弱点を持ちません。そのため、耐水紙は屋外での使用や、水に接することが多い場所での使用に適しています。
耐水紙が水に強い理由は、一般的には耐水性能が高いからです。耐水紙は、通常の紙とは異なり、特殊な製造方法・特殊な薬品・特殊な加工や素材を用いることで、水に強い性質を持たせています。具体的には、ポリエステルやポリプロピレン、ポリエチレンなどの合成樹脂を使用していることが多く、この素材は水に対して優れた耐久性や強度を持っています。また、表面をコーティングしたり、加工によって撥水性を高めることで、さらに耐水性を向上させることができます。これらの理由から、耐水紙は水や湿気のある環境でも劣化することなく、長期間使用することができます。
耐水紙と 一般的な紙の比較:水に浸した場合
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耐水紙と 一般的な紙の比較:汚れた場合
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耐水紙のメリット・デメリット
耐水紙のメリット
水に強い
一般的な紙よりも水に強いため、水がかかったり、濡れた状態でも強度を維持できます。特に屋外での使用や水に接する場所での使用に適しています。
耐久性が高い
通常の紙とは異なる構造を持っているため耐久性が高いです。一般的な紙は、木材パルプや植物繊維を原料として作られますが、耐水紙は、ポリエステルやポリプロピレンなどの合成樹脂を原料として作られているものもあります。
このような合成樹脂を原料とした耐水紙は、耐水性だけでなく、摩耗性、耐久性にも優れています。特に、ポリエステル製の耐水紙は、強度が非常に高く、耐久性が高いため、長期間の使用にも耐えることができます。
また、耐水紙は、耐水性や耐久性をさらに高めるために、表面に特殊なコーティングを施すこともあります。これにより、より高い耐久性・対候性を発揮することができます。
変形しない
一般的な紙は、水分を吸収して柔らかくなり、湿気や水にさらされると簡単に変形してしまいます。
しかし、耐水紙は通常の紙よりも強靭で、水分を吸収することがほとんどありません。また、耐水紙の表面には撥水性があるため、水分をはじき、吸収しないようになっています。
そのため、耐水紙は水や湿気にさらされても、変形することがほとんどありません。
耐油性がある
耐水紙には耐油性があるものもあります。
特殊なコーティング加工を施した耐水紙は、水や油分が含まれた液体にも耐えることができます。この加工によって、耐水紙の表面は滑らかになります。油分や汚れを付着しにくくなり、長期間使用しても、表面の汚れがたまりにくく、清潔な状態を保つことができます。
印刷が可能
耐水紙の多くは印刷に対応しており、インクが滲んでしまったりしないため、印刷物の品質を保つことができます。
環境にやさしい
近年、環境に配慮した耐水紙が注目されています。従来の耐水紙は、主にパルプやプラスチックを原料としていましたが、これらの原料は環境に対する影響が懸念されることがあります。そのため、環境に配慮した耐水紙が開発されるようになってきました。
一例として、環境に配慮した耐水紙の原料として、バイオマス原料が使われるようになってきています。バイオマス原料とは、植物や木材、農作物残渣など、再生可能な自然素材のことです。これらの素材は、石油や石炭といった化石燃料に比べて、二酸化炭素の排出量が少なく、環境にやさしい特徴があります。
また、環境に配慮した耐水紙は、リサイクル可能な素材を使用したものもあります。この場合、使用済みの耐水紙を回収し、再利用することができます。使用済みの耐水紙を回収することで、廃棄物の削減にもつながります。
耐水紙のデメリット
一般的な紙に比べて価格が高い
耐水紙の価格が高い理由は、以下のような要因が挙げられます。
- 特殊な加工が必要なため
耐水紙は、一般的な紙と比較して製造過程で特殊な加工や素材を使用する必要があります。そのため、材料や製造工程において、通常の紙よりも高いコストがかかります。 - 生産量が少ないため
耐水紙は一般的な用途ではあまり使われないため、需要が少なく生産量も少ないということも価格に影響しているかもしれません。
耐水紙を使用する際には、用途や予算に応じて、適切な種類を選ぶことが重要です。
取り扱いに注意が必要
耐水紙の取り扱いで注意することはいくつかあります。以下に代表的なものを挙げてみます。
- 直射日光を避ける
耐水紙は、長時間の直射日光や高温多湿の環境に置かれると、劣化や変色などの問題が生じることがあります。そのため、保管する場所は日光が当たらない、涼しい場所を選ぶことが重要です。 - 湿気に注意する
耐水紙は、一般的な紙に比べて耐水性能が高いため、湿気に対しても比較的強いです。しかし、完全に湿気を防ぐわけではないため、極端に湿度が高い環境下で長期間保管すると、性能が低下することがあります。保管場所には湿気を吸い取るシリカゲルなどの除湿剤を置いておくと良いでしょう。 - 引き裂きや破損に注意する
耐水紙は通常の紙よりも強度が高いですが、過度な力が加わると破損することがあります。特に、折り目をつける際や穴を開ける際は、十分な注意が必要です。 - 油や化学物質に注意する
耐水紙は、水に強い性質を持っていますが、油や化学物質に対しては耐性が低いものもあります。そのため、油をこぼした場合や化学物質と接触した場合は、すぐに拭き取るなどの処置を行う必要があります。
特性や用途に合わせて耐水紙を選び、適切な取り扱いを行うようにしましょう。
耐水紙の用途
耐水紙は、その水に強い性質を活かして、さまざまな用途で使用されています。以下では、その代表的な用途を紹介します。
カタログやメニュー
水や汚れがかかる可能性がある場所での使用においては、耐水紙の耐水性や耐久性が大きなメリットとなります。また、耐水紙は一般的な紙に比べ、光沢があるので目に留まりやすいです。紙の厚みが薄くて軽量でも丈夫な特徴もあります。輸送時などのコスト削減にもつながります。
ラベルやタグ
通常の紙は水や湿気に弱いため、アウトドアなどの環境で使用すると簡単に破れたり劣化したりする可能性があります。しかし、耐水紙で作られたラベルやタグなら、濡れたり汚れたりしても簡単には剥がれませんし、耐久性が高いため長期間使用できます。
・食品ラベル
・瓶ボトルラベル
・農業資材や園芸用品のタグ
・機械装置の警告タグ など
イベントのチケットやパスポート
一般的な紙のチケットやパスポートは、濡れた状態で使い物にならなくなることがありますが、耐水紙で印刷したものは、水に濡れても文字が滲んだり、紙が破れたりすることがありません。
そのため、屋外で行われるイベントや水辺でのレジャーなど、濡れる可能性がある場所でも安心して使用することができます。さらに、耐水紙は耐摩耗性が高いため、多くの人が触れたり、持ち運ばれたりするチケットやパスポートにも適しています。
耐水紙で印刷されたチケットやパスポートならイベントや旅行などの大切な思い出も残せます。
地図や旅行ガイドの印刷
旅先での雨や水濡れなどの天候や環境変化に対応し、情報を守ることができます。
一度水濡れすると紙がくしゃくしゃになって読みにくくなり、中身が破れてしまうことがありますが、耐水紙で印刷されたガイドブックは、水に濡れても簡単に乾き、中身を守ることができます。
また、耐水紙は耐久性が高く、丈夫なため、ハザードマップにも使われています。
建設現場や工場のマニュアル、図面
現場での水や汚れ、摩擦などの影響による破れや色あせを防ぐことができます。
建設現場や工場では、作業中に多くの水や油が使用されるため、通常の紙ではすぐに濡れたり汚れたりしてしまいますが、耐水紙であればマニュアルや図面が傷ついたり読みづらくなることを防ぐことができます。
また、建設現場や工場では、大型の機械や設備を扱うため、作業者が直接触れることができない場所に図面を貼り付ける必要があります。このような場合、耐水紙を使用することで、耐久性が高く、貼り付けたまま長期間にわたって使うことができます。
屋外看板・ポスター
普通の紙は雨や湿気に弱く、水に濡れたりしみたりすると簡単に破れてしまうため、看板としての耐久性が低いです。
しかし、耐水紙を使用することで、濡れたり汚れたりした場合でも耐久性を維持できます。また、風や日光などの天候条件にも強く、長期間使用できます。
耐水紙は簡単に加工できるため、柔軟なデザインや形状が可能であり、看板の制作において高い自由度を持つことができます。
医療用品
医療現場でも広く使用されています。具体的には、採血管ラベル、リストバンド、医療機器の取扱説明書などがあります。これらの製品は、手術中や処置中などに水や血液がかかっても破れにくく、清潔で衛生的な状態を保ちやすいという利点があります。
食品用包装材
耐水紙は多くの食品メーカーやパッケージング会社で採用されています。特に、冷凍食品や冷蔵食品、生鮮食品の包装に適しており、食品の品質を保ちながら、長期間の保存が可能です。
耐水紙で作られた食品用包装材は、冷凍食品や冷蔵食品、スナック菓子、弁当箱などでも使用されます。耐水性に優れ、美味しさや品質を保つために必要な食品用包装材として、欠かせない存在となっています。
耐水紙の加工
耐水性や耐久性に優れた製品を製作することができます。ただし、耐水紙の種類や厚さによってできる加工は異なるので、用途に合わせて、適切な種類・加工方法を選びましょう。
断裁加工
耐水紙は一般の紙よりも硬質であるため、カッターやはさみでの切断が困難な場合があります。そのため、専用の断裁機械やレーザー加工機を使用することが一般的です。
穴あけ加工
ラベルやタグのような小さな部品を製作する場合には、穴あけ加工が必要となります。専用の穴あけ機を使用することで、正確な位置に穴を開けることができます。
印刷加工
耐水紙は印刷にも対応しているため、一般的な印刷機での加工が可能です。ただし、耐水紙の種類や用途によっては特殊なインクや特殊な印刷機器が必要な場合もあります。
貼り合わせ加工
耐水紙は他の素材と貼り合わせることができます。例えば、耐水性が求められるスポーツ用品やアウトドア用品のラベルやタグは、耐水紙と貼り合わせ作られることが多いです。
折り加工
一般的な紙よりも硬質である耐水紙でも折り加工をすることができます。
ミシン目加工
ミシン目加工機を使って、一定の間隔でカットを入れることができます。主にラベルやタグ、チケットなどに用いられ、紙を簡単に切り離すことができ、効率的に使いやすくなります。
型抜き加工
型抜きを施すことができます。
耐水紙でさまざまなラベルやグッズの作成等、型抜きによって、商品の特徴をアピールできます。
箔押し加工
耐水紙に箔押し加工を施すことで、より高級感や印象的なデザインを実現することができます。箔押しは、金や銀の箔やカラフルな箔を使用して、文字やイラストなどのデザインを表面に加える技術です。
耐水紙に箔押し加工を施すことで、商品のブランドイメージを高めたり、特別感を演出したりすることができるので、商品の差別化やブランド価値の向上につながります。
エンボス加工
柄や文字を浮き上がらせる加工技術で、紙製の印刷物にもよく用いられます。立体感のある見た目と独特な手触りが特徴です。一般的な紙と同じような加工ができます。
耐水紙の種類
耐水紙には、様々な種類があります。
代表的なものを下記で紹介します。それぞれの特徴や用途に合わせた最適な『耐水紙選び』が必要です。
ユポ
ポリプロピレンの樹脂を用いた合成紙で、耐水性が高いです。光沢があり、色彩表現が豊かです。ほかの耐水紙より耐久性・耐水性が優れております。原料に木材を使用しないため、森林の保全に繋がります。
ポスター/地図/ラベル/マニュアル冊子/包装紙など、特に「耐水・耐久性」にこだわる用途に使われます。
耐水耐油紙ポエム-S
耐水紙のベースとなる紙に強度のある紙を使用しているので、耐水紙の中でも加工適性に優れているのが特徴です。ECFパルプ(無塩素漂白)を100%使用しておりリサイクルが可能です。
紙袋/包装紙/ハザードマップなど、耐水性+加工用途として使われます。
OKレインガード
ベースとなる紙に上質紙を使用しているので、白色度が高く、印刷効果が高いのが特徴です。上品で高級感のある風合いを備えており、鉛筆や油性ペンで書いても、美しい仕上がりになるのが特徴です。
封筒用/スコアガードなど、撥水性+筆記用途として使われます
ストーンペーパー
石灰石とポリプロピレンの樹脂を混ぜて作った紙で、耐水性が高いです。滑らかで、色彩表現が豊かです。ストーンペーパーは木材を使用しないため、森林の保全に繋がります。また、製造工程において紙よりもCO2の排出が少なく、水もほとんど使用しないため、環境に優しい特性があります。
紙袋/カタログ/コースターなど、耐水性+環境配慮のPRに使われます。
LIMEX(ライメックス)
LIMEXは石灰石を主原料とし、紙やプラスチックの代替となり、持続可能な社会に貢献する日本発の革新的新素材として、世界から注目されています。
名刺やパンフレット、パッケージなどに使われます。
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まとめ
耐水紙の特性を活かすためには、さまざまな特性の耐水紙の中から適切な種類を選ぶことが大切です。耐水紙の種類や用途、メリット・デメリットについて知ることで、より効果的に耐水紙を活用することができます。
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