【2024年】混抄紙・特定の素材を混ぜた紙|環境配慮・SDGs・企業の販促に

目次

混抄紙とは?

混抄紙(こんしょうし) という紙をご存じでしょうか?

紙の製造において、ほとんどは 木材の繊維(パルプ)のみで紙は造られます。

ですがこの混抄紙は、紙の材料に木材の繊維(パルプ)以外の素材を混ぜます。

そうすることで、一般的な紙にはない様々な特徴を紙に付与することができるのです。

このページでは、様々な混抄紙のご紹介(弊社でも販売中)と、混抄紙を活用することで企業にどんなメリット・デメリットがあるかご紹介していきます。

こんな用途に最適

・企業のブランド価値を出す方法の一つとして

・企業の販促活動の一環として

・環境資源の保護、SDGsの取り組みとして

混抄紙 どんな素材を混ぜるか

混抄紙として活用するのに、まずは「どんな素材を混ぜるか」という点があります。

混抄紙は「紙」ですので当然いくつか制約があります。「なんでも混ぜても大丈夫」というものではございません。

下記では混抄紙の素材をいくつかご紹介いたします。

Point

・なんでも素材として活用できるわけではない

・適した素材は、その特徴を紙に付与することができる

混抄紙 素材

お茶の葉

お茶の葉を混ぜることで、お茶の葉の香りがするオリジナル混抄紙が造れます。

イチョウの葉

イチョウの葉を混ぜることで、イチョウの葉の香りがするオリジナル混抄紙が造れます。

ヨシ(イネ科の多年草)

ヨシとはイネ科の多年草で、日本では弥生時代から自生し、平安時代には利用されてきました。

北海道から九州にかけての湿地や干潟に広く分布し、地下茎を伸ばして大規模な群生を形成します。

高さは2m〜3mで、硬く中空の茎に広線形の葉を持ちます。晩夏から初秋にかけて、長さ20〜50cmの円錐花序を形成し、暗紫色の小穂をつけます。(詳細はこちらをクリック

バナナの茎

バナナの茎の繊維を混ぜた混抄紙を、バナナペーパーと言います。

バナナペーパーは混抄紙の中でも有名で、アフリカのバナナ農家と協力し生まれた紙です。

今までは廃棄するのみだったバナナの茎。

そのバナナの茎を活用することで「世界の森林の保護の役割」と「途上国の貧困問題・社会問題を解決したい」という想いがバナナペーパーには込められています。(詳細はこちらをクリック

食品の皮・搾りかすなど

食品製造の過程で廃棄される皮・搾りかす等も混抄紙として活用できます。

食品関連 主な素材

・ ぶどうの皮・小豆の皮・カカオ・おから・落花生・トウモロコシの表皮・サトウキビの搾りかす ・コーヒー豆の搾りかす・ビールの搾りかす など

その他 素材

・ 芝生・エゾ松・ケナフ・竹・コットン・洋服の繊維・植物の茎 など

平和折り鶴再生紙

混抄紙で知られている用紙として「平和折り鶴再生紙」があります。

これは広島の平和記念公園内にある「原爆の子の像」に捧げられた折り鶴を回収し、再生させた用紙です。

さまざまな色の折り鶴から再生された用紙は、白い紙にカラフルな色が散りばめられ、折り鶴に託した人々の平和への願いも込められています。

ストーンペーパー

名前の通り、石から出来た紙です。非木材紙の分類にも該当します。

ストーンペーパーは、台湾龍盟科技股有限公司が開発した石灰石(CaCO3)を主原料とする新素材であり、既存のパルプ紙や合成紙の機能を併せ持っています。

社会貢献への強いメッセージと多機能的な特性、その独自な風合が新たな紙の可能性を創出します。

ストーンペーパーについてはこちらで詳しく紹介しております。

混抄紙 ヨシ紙

ヨシとは?

ヨシ(学名: Phragmites australis)は、イネ科の多年草で、日本では弥生時代から自生し、平安時代には利用されてきました。北海道から九州にかけての湿地や干潟に広く分布し、地下茎を伸ばして大規模な群生を形成します。高さは2m〜3mで、硬く中空の茎に広線形の葉を持ちます。晩夏から初秋にかけて、長さ20〜50cmの円錐花序を形成し、暗紫色の小穂をつけます。元々は「アシ」と呼ばれていましたが、「悪」を連想させるため、「ヨシ」と呼ばれるようになりました。

ヨシ紙とは?

ヨシ紙とは、前述した「ヨシ」を繊維状にしたものを木材繊維(パルプ)に漉き込ませ製造した紙を指します。
(ヨシ繊維を5%~100%使用し製造した紙)

ヨシ紙の特性

ヨシ紙は混抄紙の一例であり、その環境に優しい特性には以下の点が挙げられます。

  1. 再生可能な資源の利用
    ヨシは、紙の原料として使用される植物の一つで、非常に速い成長速度を持っています。このため、ヨシを利用することで、新たな樹木の伐採が少なくて済み、森林資源への負担が軽減されます。再生可能な資源の利用は、森林保護に寄与します。
  2. CO2排出の削減
    ヨシ紙の製造プロセスにおいて、木材の乾燥工程が不要です。これにより、エネルギーの使用が少なく、二酸化炭素(CO2)の排出が削減されます。持続可能な紙の製造方法として、環境に配慮されています。
  3. ヨシの栽培における持続可能性
    ヨシの栽培は農薬や化学肥料の使用が少なく、土壌保護に貢献します。ヨシの栽培地域は水の浄化や野生生物の生息地としても重要で、持続可能な農業プラクティスの一環として位置付けられています。
    ヨシは多年草の植物で、1年で枯れます。ヨシは刈り取りやヨシ焼きを行わなければ、その数は減少していきます。ヨシを紙として使用することで、ヨシの立ち枯れによる河川の流入を防ぐことができます。
  4. 印刷にも適した質感
    ヨシ紙は滑らかで均一な質感を持ち、印刷にも適しています。高品質の印刷物を制作する際に重要な要素となります。
ヨシ紙 使用例(印刷にも対応)

混抄紙 バナナペーパー

バナナペーパーとは、バナナの茎から抽出される繊維を使用して製造される紙のことです。この紙は、持続可能な資源を利用し、環境への影響を最小限に抑えることができるため、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みとしても注目されています。従来の紙と比較してエコフレンドリーな選択肢であり、企業が環境への配慮を示すために使用するのに適しています。

また、バナナペーパーの生産にはフェアトレードの概念が取り入れられており、これにより生産者の生活改善や地域社会の経済発展にも貢献しています。

フェアトレードとは、公正な取引を通じて生産者に適正な報酬を支払い、労働条件の改善や児童労働の排除を目指す取り組みです。バナナペーパーの生産では、こうしたフェアトレードの基準に従って、バナナの茎を収穫する労働者に公正な賃金が支払われ、労働環境が整えられています。これにより、バナナペーパーは環境保護のみならず、社会的な公正を実現する素材として、企業がSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みを示すのに最適な選択肢となっています。(バナナペーパーはアフリカのザンビアでバナナの茎の繊維を生産)

本記事では、バナナペーパーの市場動向、用途、SDGsおよびフェアトレードへの貢献について詳しく解説し、企業がバナナペーパーを採用するメリットを紹介します。

資源の有効活用:廃棄されるバナナの茎を利用
フェアトレード:アフリカのザンビアでバナナの茎の繊維を生産
環境への配慮:SDGsの取り組みとしても有効
多様な製品:バナナペーパーは様々な加工に対応

バナナペーパーの用途とメリット

バナナペーパーはその柔軟性と質感から、さまざまな用途に適しています。以下に、バナナペーパーを使用した製品とそのメリットについて説明します。

名刺

バナナペーパーを使用した名刺は、独特の質感と高級感が特徴で、エコフレンドリーな素材を使用することで企業の環境意識の高さを示すことができます。また、バナナペーパーの名刺を使用することで、フェアトレードの取り組みを通じて社会的責任を果たしていることを顧客にアピールできます。これにより、他の名刺と差別化を図り、強い印象を与えることが可能です。

カット紙

バナナペーパーは、手作りのような風合いが特徴で、カット紙として使用されることが多いです。包装紙やパンフレット、パッケージなど、個性的で高級感のある印象を与えたい場合に適しています。また、再生可能な資源を使用しているため、企業の環境への配慮を示すための効果的なツールとしても活用できます。フェアトレードで生産されたバナナペーパーを使用することで、社会的公正もアピールできます。

参考画像:カット紙 OPP (バナナ5%) CoC 55g/㎡
参考画像:カット紙 OPP (バナナ20%) CoC 55g/㎡
参考画像:カット紙 OPP (バナナ5%) CoC 180g/㎡
参考画像:カット紙 OPP (バナナ20%) CoC 180g/㎡

■全判・カット紙

包装紙・紙袋

バナナペーパーの包装紙は、ギフトラッピングや特別な商品の包装に適しています。環境に配慮した包装を求める消費者のニーズに応えることができ、企業のブランドイメージを高める効果があります。バナナペーパーの包装紙は、再生可能な素材を使用しているため、持続可能な選択肢として評価されます。さらに、フェアトレード製品としての付加価値を提供し、消費者が購入を通じて社会的責任を果たすことをサポートします。

紙袋サンプル
黒い点々:バナナの繊維
黒い点々:バナナの繊維

パンフレットとパッケージ

企業がバナナペーパーを使用してパンフレットやパッケージを作成することで、エコフレンドリーなブランドイメージを強調することができます。バナナペーパーの自然な風合いは、環境に優しい商品やサービスのプロモーションに最適です。また、フェアトレードのバナナペーパーを使用することで、企業のSDGsへの取り組みを示し、社会的な責任を果たす姿勢をアピールすることができます。

封筒・カード

バナナペーパー製の封筒やカードは、高級感があり、環境に配慮した製品としての印象を与えます。これにより、企業のサステナビリティの取り組みを顧客やパートナーに伝えることができます。また、バナナペーパーの封筒は、通常の紙と同様に印刷や加工が可能であるため、実用性も兼ね備えています。フェアトレードで生産された封筒を選ぶことで、より一層の社会的責任を果たすことが可能です。

混抄紙 メリット

企業が混抄紙を活用するメリットは3つあります。

・自社のオリジナルブランド・オリジナル商品の確立
・環境資源の保護活動
・SDGsの取り組みとして

自社のオリジナルブランド・オリジナル商品の確立

食品製造・加工業では、製造過程で「皮・搾りかす」などの副産物が出ることがあります。

その副産物を素材として紙に混ぜることで、副産物の特徴を上手く紙に付与することができます。

最近ではこれらの副産物を上手く活用しようとする動きが多く、その中の一つに「自社オリジナルの混抄紙」を作成する企業が増えています。

企業の混抄紙 作成例

伊藤園 茶殻入りの紙製品

キッコーマン しょうゆ粕を利用した名刺

これら以外にも、製造過程で出た様々な副産物を上手く活用し、オリジナル商品として活用している企業は多いです。

自社が「食品製造・加工業」でなくても、これらの企業とコラボしたり、タイアップ商品として上手く掛け合わせることは可能です。

副産物は比較的安く入手できることも期待できるので、自社ブランドとしての活用、自社オリジナル商品として拡販することもできます。

木材以外のどの素材を使うか、どの農産・食品副産物を原料にするかで、完成品の特徴が大きく変わってきます。

他とは違うオリジナル商品も作りやすいので、新しい取り組みとして注目されています。

環境資源の保護活動

混抄紙や非木材紙は、森林資源の保護(森林の過剰伐採を軽減)や CO2排出抑制の観点から、環境負荷の低減に寄与する素材として注目されています。

現在、世界中で森林の破壊や劣化が大きな問題となっています。

森林が破壊されるとそこに生息する貴重な動植物が失われるだけでなく、住民の生活環境の悪化や地球温暖化などが引き起こされます。

しかし、私たちの生活において、木材をはじめ森林を活用しないということはできません。

この森林が急速に破壊されているという状況を背景に、企業が混抄紙や非木材紙を活用することで「環境資源の保護活動」として、自社PRにも繋がるのです。

SDGsの取り組みとして

SDGs(エスディージーズ)とは? (クリックで展開↓)

SDGs(エスディージーズ)とは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。

2015年9月の国連サミットで採択されました。

産業革命以降急激に活発化した人間活動により、経済・社会の基盤である地球の持続可能性が危ぶまれていることに端を発します。

SDGsは国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。

持続可能な開発目標(SDGs)とは、すべての人々にとってよりよい、より持続可能な未来を築くため、貧困や不平等、気候変動、環境劣化、繁栄、平和と公正など、大きくまとめて「環境」「経済」「社会」の3つの領域において、課題の解決を目指していく取り組みのことです。

SDGsの17の目標は相互に関連しています。2030年までに各目標・ターゲットを達成することが重要となります。

「SDGs」は、人によってはどこか「他人事」のように思われている方もいるかもしれませんが、このSDGsへの取り組みは私たち一人一人が主役であり、主人公となります。

混抄紙の活用は、SDGs 17の目標の「15. 陸の豊かさも守ろう」に該当します。

15. 陸の豊かさも守ろう 一部詳細  (クリックで展開↓)
  • 15-3:2030年までに、砂漠化に対応し、砂漠化、干ばつ、洪水の影響を受けておとろえてしまった土地と土壌を回復させ、これ以上土地をおとろえさせない世界になるように努力する。
  • 15-4:2030年までに、持続可能な開発のために欠かせない山地の生態系の能力を強めるため、多様な生物が生きられる山地の生態系を確実に守る。
  • 15-5:自然の生息地がおとろえることをおさえ、生物の多様性が損なわれないようにし、2020年までに、絶滅が心配されている生物を保護し、絶滅を防ぐため、緊急に対策をとる。

企業が混抄紙を活用することで「SDGsの取り組み」として、自社PRに繋がります。

混抄紙 デメリット

混抄紙を活用する際のデメリット(※注意点)は3つあります。

・価格
・ロット
・納期

価格

流通数が木材パルプに比べ圧倒的に少なく、一度に大量に作れないため、どうしても製造コストが高くなってしまうケースが多いです。

ロット

流通数が木材パルプに比べ圧倒的に少なく、一度に大量に作れないため、どうしても製造ロット数が限られてしまうケースがあります。

また、最低ロット数も事前に確認しておく必要があります。

納期

混抄紙に使用する素材を、常に大量にストックしているケースはあまり多くありません。

その素材自体を調達するまでにプラスして時間を費やす恐れがあります。

また、混抄紙を製造するにも、製紙工場によっては後回しにされる可能性もあるため、事前に確認しておく必要があります。

混抄紙 簡単まとめ

  1. 混抄紙(こんしょうし)とは、紙に木材の繊維(パルプ)以外の『素材を混ぜた紙』のこと
  2. 様々な素材を活用することができる
  3. 適した素材は、その特徴を紙に付与することができる
  4. 企業の『ブランド価値』を高めるのに 混抄紙 は有効
  5. 企業の『環境・SDGsへの取り組み』にも 混抄紙 は有効
  6. 価格・ロット数・納期は事前に確認しておく必要がある

機能紙選定ナビでも 混抄紙 の取り扱いがございます。

まずはお気軽にお問い合わせください。紙のプロフェッショナルが無料でご対応いたします。

電話でのお問い合わせ  ☎:0258-46-9110


紙のプロフェッショナルが、あなたの悩みを解決します

その他 おすすめ

環境への取り組みの参考になります

環境に優しい紙をまとめてご紹介↓

環境に優しい薄い紙をご紹介↓

環境に優しい紙のリサイクルをご紹介↓

脱プラ・減プラ・SDGsの取り組みの参考になります

脱プラ・SDGs』のことをまとめてご紹介↓

脱プラ・SDGsの取り組み』の製品・活用例をご紹介↓

脱プラ・SDGs』初めて取り組む方へ

環境・脱プラ・SDGs環境に優しい紙をご紹介↓

これから何か行動を起こす際に、少しでも何か「疑問点・不安点」がありましたら、まずは弊社にご相談ください。

電話でのお問い合わせ  ☎:0258-46-9110


紙のプロフェッショナルが、あなたの悩みを解決します


機能紙を探す

耐水紙

水に強い

耐油紙

油に強い

吸水紙

水を吸う

濾過紙

不純物を取る

水溶紙

水に溶ける

耐熱紙

熱に強い

硬質紙

衝撃に強い

抗菌紙

菌・ウイルスに強い

菌に強い

食品紙

食品対応

保鮮紙

鮮度保持・熟成

環境紙

環境に優しい

混抄紙

廃棄物を活用

防滑紙

滑りにくい

塗工紙

ツルツルした

防錆紙

錆を防ぐ

無塵紙

塵がでにくい

立体紙

立体的

自着紙

紙同士がくっつく

保護紙

守る紙

薄葉紙

非常に軽い・薄い

厚紙・板紙

厚紙・板紙

分厚い・硬い

 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次