\ 耐熱紙について “2分” で簡単解説 /
\ 耐熱紙について “2分” で簡単解説 /
耐熱紙とは
耐熱紙とは、高温に耐えられる特殊な紙のことを指します。
耐熱性があることで、耐熱紙にある程度の熱が加わっても『燃えない』・『変形しない』・『劣化しない』など、高温化でも紙としての機能を維持することができます。この耐性は、紙にシリコンコーティング加工を施したり、グラスファイバー製、セラミックファイバー製などの素材を活用することで得られます。
さらに、耐熱紙は熱による影響が少ないため、繰り返し高温状態にさらされても、その性能が持続します。これにより、耐熱紙は高温環境での使用に適しており、家庭用途から工業用途まで幅広い分野で利用されています。
耐熱紙の耐熱性能は、材料や製造方法によって異なりますが、一般的には、数百度までの温度に耐えることができます。
耐熱紙の種類や品質によって、これらの性能に違いがあるため、用途に応じて適切な耐熱紙を選ぶことが重要です。
耐熱紙と一般的な紙の比較
火に近づけた時の様子を比較します。(※耐熱紙本来の使い方とは異なります)
一般的な紙(ここではコピー用紙を使用)は直ぐに黒く燃え広がりましたが、耐熱紙は少し焦げがついた程度でした。(※使用する耐熱紙によって異なります)
耐熱紙のメリット
これらの特性から、耐熱紙は家庭用途だけでなく、工業分野においても多くの用途で利用されており、その需要は増加傾向にあります。
高温耐性
一般的な紙に比べて高温に対して耐性があり、この性質により、オーブンや電子レンジなど、熱を加える状況での使用に適しています。
剥離性(非粘着性)
食品が紙にくっつかないように剥離性能を備えているものもあり、食品を容易に取り出すことができるため、調理や製菓で扱いやすくなっています。
電気伝導性が低い・電気絶縁性が高い
耐熱紙は電気伝導性が低く、電気絶縁性が高いため、電気機器や配線の絶縁材としても優れた性能を発揮します。これは、特に高温環境下での電気絶縁が求められる工業用途において大変重要です。
耐熱紙の用途
耐熱紙は、さまざまな用途で使用されています。その一部をご紹介します。
食品用途
調理・製菓
身近な耐熱紙として、クッキングシート(クッキングペーパー)が挙げられます。
オーブンでの調理や製菓作業に使用され、焼き菓子やパンの焼成時に、耐熱紙が焼き色を均一にし、焦げ付きを防ぐ効果があります。
食品容器・食品台紙
高温の調理に耐えることができるため、食品を容器のまま電子レンジ等で温めることができる容器にも使用されます。蒸しパン、肉まん、菓子などの台紙としても利用されています。
工業用途
電子部品の製造
グラスファイバー製の耐熱紙は、電子部品の製造プロセスで使用されることがあります。高温環境での絶縁性が求められる場合に適しています。
電気絶縁材
グラスファイバーやセラミックファイバー製の耐熱紙は、電気伝導性が低く、電気絶縁性が高いため、電流が漏れることなく、安全に電気を遮断することができます。高温下での電気絶縁材として使用されることがあります。
ガスケット材料
耐熱紙は、機械部品の間に挟んで、熱や圧力の変化に対応できるガスケット材料として使われることがあります。
これらの用途は、耐熱紙の高温耐性、耐久性、電気絶縁性などの特性を活かしたものです。ただし、耐熱紙の性能は、使用されている素材や製品の品質によって異なるため、用途に応じて適切な耐熱紙を選ぶことが重要です。
耐熱紙の加工
耐熱紙は、高温下でも形状を保つことができるため、様々な加工方法に対応することができます。
例えば、
- 断裁加工
- 穴あけ加工
- 印刷加工
- 貼り合わせ加工
- 折り加工
- ミシン目加工 などの加工が可能です。
ただし、紙の素材、厚み、硬さによって、加工に耐えられるかどうかが異なります。また、使用環境によっては加工後の耐熱紙の性能に影響を与える場合があります。
適切な耐熱紙の選択と加工方法は、製品の使用目的や条件に合わせて慎重に検討する必要があります。特定の用途に合わせたカスタマイズが可能であることから、メーカーや専門家と相談して最適な耐熱紙の種類や加工方法を決定することが推奨されます。このようなアプローチにより、耐熱紙の性能を最大限に活用し、高品質な製品を作成することができます。
耐熱紙の紹介
王子エフテックス 耐熱紙
食品用セパレート
蒸しパン、肉まん、菓子などの台紙として利用されており、食品からセパレートを取り去る際の適度な剥離性を与えるなど、剥離部と未剥離部を組み合わせることが可能で、印刷、打抜き等の3次加工も可能です。
分野:食品・包装
機能 | 剥離部と未剥離部を組み合わせることが可能 / 無味、無臭、無毒 / 剥離コントロール範囲が広い |
---|---|
用途 | パン生地・菓子等製造時のくっつき、ベタツキ、ヤケ防止 |
利用例 | 蒸しパン・菓子等の台紙 / ケーキ焼成時の工程紙 |
ガラスペーパー(グラスパー)
ガラス繊維を湿式抄紙法でシート化したガラスペーパー(ガラス不織布)です。
ガラス繊維のほかに、パルプや合成繊維(PET他)、エンプラ繊維(アラミド繊維等)の配合が可能です。
お客様のご要望の用途・品質特性にあわせてご提供いたします。
(対応米坪10g/m2~500g/m2)
分野:建築・建装材・家具 / 電子部品・電材・半導体 / 自動車・鉄道 / 工業・農業・産業資材
機能 | 寸法安定性 / 剛性 / 耐熱性 / 電機絶縁性 / 耐腐食性 / 耐久性 |
---|---|
用途 | 建材 / 電子材料 / 産業資材 |
利用例 | タイルカーペット基材 / プリント配線基板(CEM-3) / フィルター / FRP材料 |
まとめ
耐熱紙は、高温環境に耐えることができる特殊な紙の一種で、家庭用途から工業用途まで幅広い分野で利用されており、その性能は使用する素材や製品の品質によって異なります。また、様々な加工方法にも対応できるため、製品の使用目的や条件に合わせて、適切な耐熱紙と加工方法を選択しましょう。
耐熱紙をお探しの企業様へ
耐熱紙については機能紙選定ナビにご相談ください。弊社では数多くの耐熱紙を取り扱っております。ヒアリングを行い、お客様の用途に合った最適な耐熱紙をご提案いたします。
機能紙選定ナビを運営する株式会社田村商店は1753年の創業以来、今までずっと「紙」に携わってきました。これまで築き上げてきた歴史と経験で皆様をサポートしてまいります。
\ 耐熱紙について “2分” で簡単解説 /
\ 耐熱紙について “2分” で簡単解説 /
電話でのお問い合わせ ☎:0258-46-9110
紙のプロフェッショナルが、あなたの悩みを解決します