光を遮る紙が「遮光紙」
一般的な用紙でも光を遮る効果はありますが、用途によって光の遮断が不十分な場合もあります。遮光紙は文字通り光を通さない紙です。紙に高い遮光性能を加えることで、光を嫌う写真フィルムの包装、光による品質劣化する乳製品など、さまざまな用途に役立ちます。一般的な「遮光」といえば、外から入る光を遮る目的で利用される「遮光カーテン」がありますが、遮光紙も同様に光をしっかりと遮ります。
遮光紙とは
特徴
遮光性を有する紙です。銀塩感光紙・フィルムなどの包装、および写真フィルム、間接X線フィルムのリーダーペーパーなどで使用されます。微細な穴(ピンホール)があり、光が洩れると、写真乳剤に支障をきたすため製造には高い精度が求められます。それ以外にも、遮光ラベルやパッケージ、印刷物の裏面の透過防止用、トランプ用紙などにも使われます。遮光紙は黒色が一般的ですが、茶色などもメーカーによっては製造されています。
遮光にする方法
紙に遮光する機能を付与するには、以下の方法があります。
1.特殊な処理により微細な穴(ピンホール)をなくす
2.特殊な技術により光の透過を抑える
3.遮光性能を持った素材を紙に付与する
遮光紙の種類
遮光紙
特殊な処理によって微細な穴(ピンホール)の発生を無くし、特殊な原料と技術を使用することで光の透過抑制を実現した紙のことです。
遮光ラベル
独特な遮光層をラベルに付与することで、透けることを防ぎ、情報の保守が可能となります。保管・配送時なども透けないため、大切なデータを守ることに繋がります。個人情報を守るためのラベルやシールなどに遮光ラベルはよく利用されています。
また、ヨーグルト等の乳製品は光によって劣化してしまいます。透明の容器は蛍光灯の光などの影響により保存期間が短くなってしまいますので、遮光ラベルを利用し遮光することで食品の品質劣化を防ぐことができます。
トランプ用紙
トランプの機能として、相手にカードの中身がわかってしまうとゲームとして成り立ちません。つまり、光が透過することで、カードの絵柄が透けてしまわないことが必要になります。トランプ紙を多層構造にし、プラスチックなどの不透明性の高い物質を付与することで、高い不透明性だけでなく、耐久性も備えることができます。
遮光障子紙
文字通り、光を透さない障子紙が「遮光障子紙」になります。障子そのものは採光にすぐれておりますが、夜の勤務などしている家庭では安眠のために遮光が必要となります。こちらであれば直射日光や電灯の光が当たる場所でも遮光として利用できます。見た目も一般的な障子紙(和紙)とほとんど変わりません。
また、障子紙とは別に「遮光フィルム」を使って、光を遮断する方法もあります。
遮光紙の用途とまとめ
写真フィルムや遮光ラベルといった利用法だけでなく、耐水性の機能を付加した素材として屋外ポスターへの展開など、様々な展開がされてきた遮光紙。今後は、脱プラスチック包装の代替素材としても検討している企業も多いだけに注目の紙です。
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