\ 耐油紙について “2分” で簡単解説 /
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耐油紙とは
耐油紙とは、油や脂肪などの油性物質に対して強い耐久性を持った紙のことです。一般的にはシリコン樹脂やフッ素樹脂でコーティングされたものが使用され、食品包装や工業製品などの用途で利用されています。
耐油紙が一般的な紙よりも油に強いのは、その製造過程で特殊な加工が施されているためです。通常の紙は、木材のパルプを原料として作られますが、耐油紙はパルプやセルロースファイバーを原料にしながら、樹脂やコーティング剤を含ませることで、油や水に強くなるように加工されています。このような加工により、耐油紙は一般的な紙よりも強度が高く、機械的な負荷にも耐えることができます。
耐油紙と 一般的な紙の比較
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耐水紙のメリット・デメリット
耐油紙のメリット
油や水に強い
耐油紙は、油や水に強く、通常の紙よりも優れた耐久性があります。そのため、食品包装や自動車部品、建築資材、医療機器など、様々な分野で使用されます。
耐久性が高い
耐油紙は、耐油性や耐水性を高めるために、シリコン樹脂やフッ素樹脂などでコーティングされています。このコーティングにより、紙自体が油や水に強くなり、通常の紙よりも優れた耐久性が得られるようになります。また、耐油紙には、通常の紙とは異なる原材料の組み合わせが採用されています。一般的な紙は、木材のパルプを主原料としていますが、耐油紙はパルプやセルロースファイバーを主原料としながら、それに樹脂やコーティング剤などを配合しています。これにより、強度が高く、機械的な負荷にも耐えられるようになります。
環境にやさしい
耐油紙は環境に配慮した製品としても注目されています。
主原料として、パルプやセルロースファイバーなどを使用しており、これらの原料は、再生紙や木材などから作られ、自然由来のものであるため環境にやさしいと言えます。また、耐油紙は、リサイクルが可能です。リサイクルによって、廃棄物の削減にも貢献しています。
食品包装に適している
耐油紙は、食品包装に適しています。様々な形状や用途に対応することができ、フライや揚げ物などの油っぽい食品、冷凍食品、弁当など、様々な食品の包装に使用されています。
耐油紙のデメリット
以下のように、耐油紙のデメリットが挙げられます。ただし、用途によっては、これらのデメリットが問題にならない場合や、耐油紙の種類によってはこれらのデメリットが改善されている商品もあります。
柔軟性に欠ける
シリコン樹脂やフッ素樹脂でコーティングされているため、柔軟性に欠ける場合があります。そのため、曲げや折り目が付けにくいことがあります。
環境への負荷
耐油紙には、フッ素系有機化合物やシリコンなどを使ったものと、使わないものがあり、 フッ素系有機化合物やシリコンは、環境中に蓄積する可能性があるので、製造や使用によっては環境に影響を与える場合があります。
耐油紙の用途
耐油紙は、油に強い性質を活かして、さまざまな用途で使用されています。以下では、その代表的な用途を紹介します。
食品用途
フライや揚げ物の包装に
フライや揚げ物の包装には、油分の漏れを防ぎながら、食品の美味しさを保つことができる耐油紙が使用されます。また、耐油性だけでなく、高温にも耐えられるように設計されていることが多く、焼き物やグリル料理の包装にも使用されることがあります。
冷凍食品の包装に
冷凍食品の包装には、凍結後にも耐油性が維持されるように、防油性や防水性に優れた耐油紙が使用されます。また、耐熱性も高いことが多く、電子レンジなどで加熱して食べることができる製品にも使用されます。
弁当箱などに
弁当箱などの食品容器には、油分や水分の漏れを防ぎ、食品の美味しさを保つことができる耐油紙が使用されます。また、食品容器に使用される耐油紙には、防水性や防油性だけでなく、食品の鮮度を保つ機能や、電子レンジで加熱できる機能などが付加されたものもあります。
スイーツや菓子の包装に
スイーツや菓子の包装には、油分や水分を吸収しない耐油性が求められる場合があります。そのため、防油性や防水性に優れた耐油紙が使用されます。また、デザイン性に優れたものや、高級感のあるものもあります。
工業用途
工業部品の包装に
部品から出る油の染み出し防止や部品の保護のために使われています。
耐油紙の種類と選び方
耐油紙にはさまざまな種類があります。用途に合わせて選びましょう。
耐油紙の種類
- フィルムをラミネートしたもの:油を染み込ませないという点で最も優れています。
- フッ素樹脂コーティング紙:紙表面にあるフッ素樹脂の表面張力で油のしみ込みを防ぎます。
- シリコン樹脂コーティング紙:片面にシリコン加工が施されており、油によるにじみがでない薄口の耐油紙です。電子レンジで加熱しても環境中に蓄積する物質は出ません。
耐油紙の選び方
耐油紙を選ぶ際は、以下のポイントを考慮する必要があります。
- 耐油性や耐水性のレベル:油や水の種類や量によって、必要な耐油性や耐水性が異なるため、適切なレベルを選ぶ。
- 紙の厚さ:耐油性や耐水性だけでなく、使用する環境や目的に応じて、適切な厚さを選ぶ。
- 加工性:例えば、自動車部品のように曲面に合わせて加工する必要がある場合は、柔軟性の高い耐油紙が適している。
- 規格に基づいた品質:JIS規格や工業規格に準拠している製品を選ぶことで、安心して品質管理を行うことができる。
下記では機能紙選定ナビで取り扱っている耐油紙を紹介します。
新TUアイボリー
裏層に耐油材を抄き込んだ耐油板紙で、一般印刷用紙と同じ印刷適正をもち、リサイクルが可能です。糊貼りやホットメルト接着ができます。
【使用例】
・菓子類のパッケージ
・ドーナツやケーキなどのテイクアウトパッケージ等
新TSUアイボリー
表裏層に耐油材を抄き込み、芯層に耐水機能を持たせた耐水耐油紙。リサイクルが可能です。糊貼りやホットメルト接着ができます。
【使用例】
・菓子類の台紙や間仕切り、ケーキ等の内箱・カートン等
・その他冷凍食品、食品包装用、工業部品などでに水・油を防止するパッケージ・カートン等
エコバリーV・エコバリーK
裏面はフィルムラミネート紙並みのハイレベルな耐水・耐油・撥水性を持ち、断面からの水の浸透も抑えます。リサイクルが可能です。
【使用例】
・スナック、冷凍、氷菓等のテイクアウトパッケージ
・惣菜、弁当箱の容器
・その他耐水耐油性を必要とする紙皿、トレー等
新耐油紙K
裏面に樹脂塗工をした耐水耐油紙でコストを抑えています。断面からの水の浸透も抑え、リサイクルが可能です。糊貼りやホットメルト接着ができます。
【使用例】
・食品等のテイクアウトパッケージ
・菓子類のパッケージ
・バター等の乳製品カートン 等
薄口耐油紙(ノンフッ素タイプ)
油によるにじみがでない薄口の耐油紙で印刷が可能です。フィルムやフッ素樹脂を使わないため、環境に配慮されています。
【使用例】
・揚げ物や焼き物の敷き紙
・油脂を含む食品の包装紙
・ケーキなどの敷き紙 等
ブラウン耐水耐油紙
自然かつ素朴な風合いでパッケージ適正に優れており、印刷が可能です。環境負荷の低い原料を使っているため、環境に
優しいです。
【使用例】
・菓子類の台紙や間仕切り
・ケーキの内箱
・工業部品など水や油を防ぐパッケージ 等
FS耐油紙T
紙層全体にわたり耐油性が付加されているので、薬品塗工タイプでみられるような折り目部分の耐油性の低下がありません。FSC認証対応紙なので環境保全に取り組んでいる企業だとアピールできます。
【使用例】
・フライドポテト、ドーナツ、から揚げ、コロッケなどのファストフードや惣菜の包装
耐油紙S
紙層全体にわたり耐油性が付加されているので、薬品塗工タイプでみられるような折り目部分の耐油性の低下がありません。また、水に濡れても破れにくい性能を兼ね備えています。
【使用例】
バター、マーガリン、固形コンソメの包装およびアルミ箔貼合用紙
e-耐水耐油紙
表裏層に耐油性、全層に耐水性を付与した紙で、断面や折り目での油滲みが見えにくいのが特徴です。水や油を含む食品の容器などにも使えるプラスチック代替可能な高密度厚紙です。
【使用例】
菓子類や揚げ物惣菜等のテイクアウトボックス等
ヒートシール耐油紙
PPやPEを使用したラミネート紙代替素材で、耐油性とヒートシール性を併せ持った紙です。紙としてのリサイクルも可能で環境に優しい素材です。
【使用例】
揚げ物やホットスナックの包装用原紙
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まとめ
耐油紙は、油性物質に対して強い耐久性を持ち、高温や湿気にも強いため、工業製品や食品包装、医療機器などの様々な分野で使用されています。また、リサイクル可能なものが多く、使用することで環境に配慮した取り組みをしていると企業のアピールをすることができます。
耐油紙の種類や用途、メリット・デメリットについて知ることで、より効果的に耐油紙を活用することができます。
耐油紙をお探しの企業様へ
耐油紙については弊社にご相談ください。機能紙選定ナビでは、今回紹介した商品の他にも、さまざまなメーカーの耐油紙を取り扱っております。ヒアリングを行い、お客様の用途に合った最適な耐油紙をご提案いたします。
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