【 無塵紙・クリーンペーパー 】
塵や紙粉が出にくい紙をご提案!
誰でもわかる!
\ 無塵紙について “2分” で解説 /
無塵紙・クリーンペーパーとは
無塵紙 (むじんし)という紙をご存知でしょうか?
一般的な紙は、破る・こする・揉むなど、物理的に接触した際に細かい繊維やカスが紙から脱落しますが、無塵紙ではほとんど脱落しません。
一般的な紙とは異なり、紙から発生する塵(紙から出る細かいカスのようなもの)発塵・紙粉などが出にくい紙を総じて無塵紙や防塵紙、クリーンペーパーなどと呼びます。
クリーンペーパーの由来としては、精密機械工業・半導体産業・医薬品産業などのクリーンルーム内で使用される紙(ペーパー)からきております。
上記の通り、クリーンルーム(空気清浄度が確保された部屋)では、クリーンペーパーが使用されていることが多く、理由としては紙から発生する塵が少ないことが最大の理由です。
クリーンルームは『空気中における浮遊微小粒子、浮遊微生物が限定された清浄度レベル以下に管理され、その空間に供給される材料、薬品、水やその他についても不純物、ゴミを取り除いてゴミを持ち込まないようにしようとする空間』と定義されており、一般的な紙では発塵してしまうため、クリーンペーパーが主に使用されております。
無塵紙・クリーンペーパー 具体的な使用例
製薬・医療機器製造関連のお客様
- 医療用クリーンルームでも使用できる紙として活用
- 薬の色と異なるカラー色のクリーンペーパーの活用
直接人体に影響のある医薬品は細心の注意を払って製造しているため、発塵の恐れの少ないクリーンペーパーを選択。
主に製造時での活用やチェックシートとしても活用しております。
また、一般的には薬は白色が多いため、見分けのつきやすい白色以外のクリーンペーパー(ブルー/ピンク/オレンジなど)も人気です。
半導体、プリント基板、関連のお客様
- クリーンペーパーのコピー用紙の活用
- クリーンペーパーで作られたノート・手帳の活用
クリーンペーパーもコピー用紙として印刷できるものがあります。指示書や簡易マニュアルとして印刷し活用できます。
また、ノート・手帳・ファイル・バインダー・ラベルなど、様々な加工にも向いており形を変えて活用されます。
部品製造関連のお客様
- 異物混入の防止・リスク低減
- 品質向上・信頼性向上・クリーン対策
様々な部品製造時にもクリーンペーパーは選ばれています。
特に繊細な部品の製造時や輸送時などのスペーサーとしても活躍。フィルムとは異なりクッション性を持たせることで部品の保護の役割も担います。PH値を限りなく7.0に近づけている中性紙タイプなどもあります。
押さえておきたい無塵紙・クリーンペーパーのポイント!
- 一般的な紙とは異なり『発塵が少ない』 ※0ではない
- 発塵が少ないので安心して使用できる
- クリーンルーム でも使用されることが多い
- 白色以外にも様々な色が存在する ※ブルー/ピンク/バイオレット/オレンジ/イエロー/グリーンなど
- コピー用紙のように印刷することもできる
- 加工適性もあるのでノートやファイル・ラベルなどにも変身可能
- 部品の保護としても活用できる
おすすめの無塵紙・クリーンペーパーはスタクリン
無塵紙・クリーンペーパーは様々な製紙メーカーが製造しておりますが、今回おすすめするのは スタクリン という名前の無塵紙です。(製造元:桜井株式会社)
スタクリン | 桜井株式会社 (sakurai-staclean.com)
スタクリンとは
発塵を抑えたクリーンルーム内専用紙です。桜井株式会社のブランド名「スター」とクリーンペーパーの「クリーン」をかけて「スタクリン」と名付けられました。低発塵性に優れ、コピー適性も良く、加工がしやすい紙ベースのクリーンペーパーとして1982年の発売以来多くのクリーンルーム業界ユーザー様から支持されております。
普通紙との違い
なぜ、普通紙をクリーンルームに持ち込んではいけないのでしょう? まず、普通紙の構成から説明します。
一般のコピー用紙やノートに使用されている紙は大きく分けて、繊維(木材パルプ)、いくつかの薬品、「顔料」によって構成されています。
使用する繊維は、特に特性は求められないので、短繊維が使用される場合があります。短繊維を使用すると、繊維が脱落してしまい、発塵の要因になってしまいます。また、再生紙は再生工程を経て、繊維が痛んでしまうので、同様に発塵の要因になります。
また、「顔料」とは聞き慣れない言葉かも知れませんが、紙を白く見せ、不透明(透けない)にするために 混入している白い粉です。イメージ的には、紙を白い粉で化粧しているような状態です。「顔料」には、炭酸カルシウムやチタンなどが用いられ、この「顔料」が普通紙からの1番の発塵要因と言われています。
人間の目には見えませんが、普通紙はコンマ数ミクロンから数ミクロンの多くの発塵要因を抱えております。その発塵によって、半導体製造工程などのクリーンルームの清浄度が汚染されたり、不良品の増加など歩留まりを下げる原因になってしまいます。
合成紙との違い
「合成紙」とは、プラスチック系のフィルムを総称して呼ばれているようですが、PP素材(ポリプロピレン)のものが多いようです。
スタクリンが発売される以前は、そのツルツルした風貌から普通紙より発塵しにくいとされ、印刷したものがクリーンルーム内で使用されていました。クリーンルーム使用に適した合成紙も一部あるようですが、そのほとんどはクリーンペーパーとは呼べない構成です。
その理由は、普通紙と同様に紙の着色に顔料を使用しているからです。下図のように電子顕微鏡を用いて拡大 すると、顔料の粒が確認できます。
合成紙は構造上(何層にも重なっている)、静電気を帯びやすくなっているので、印刷がしづらいと言われ、また熱に弱く、複写機(コピー機)に使用出来ません。 製造工程によっては、静電気が大きな問題になるケースもあります。
スタクリン 3つの特徴
スタクリンには、3つの特長があります。
1.スタクリンは、普通紙や合成紙と異なり、着色に顔料を使用しておりません。ブルーやバイオレットなどの色は、染料(液体)によって着色しております。「普通紙の話」で述べた一番の発塵要因である顔料を使用していない事が特長です。
2.スタクリンは、普通紙などで使用される繊維とは異なり、長繊維(長めの繊維)を選定使用し、繊維の絡み合いをより強固にしております。
3.スタクリンは、アクリル系の樹脂を含浸している含浸紙です。このアクリル樹脂が、繊維の脱落を防止しています。
スタクリンは、低発塵でありながらコピー・印刷適性が良く、断裁などの加工適性にも優れています。また、使用後もRCシリーズは、古紙回収し、リサイクルが可能で、焼却処分についても普通紙と同様に処理できます。
引用元:スタクリンのお話 | 桜井株式会社 (sakurai-staclean.com)
- 低発塵性
- 印刷適性
- 加工適性 に優れる
スタクリンが選ばれる理由
- 品質重視・低発塵性
- 豊富な品揃え
- 1枚から別注対応
① 品質重視・低発塵性
クリーンペーパーで一番大事な品質は発塵しないことです。下記は製造元の桜井株式会社が公表している実測値ですが、お客様の評価で採用されるケースが多く、その実績により、長年支持されております。
発塵測定値
※個/CF
※測定方法 SEMI56-0000に準ずる。0.1μm以上の擦り試験。
※数値は実測値であり、保証値ではありません。
② 豊富な品揃え
豊富な品揃え
・基材は20種類以上
詳細はこちら:スタクリン | 桜井株式会社 (sakurai-staclean.com)
上記はほんの一例です。実はクリーンペーパーの基材はスタクリンシリーズだけで色(7色)・厚み( 7 0 ~ 5 0 0 μm)を組み合わせると10 種類以上。
その他のグレードも含めると30種類近い基材があり、選択が可能です。
スタクリン
製品ラインアップ
事務用品系 | PPC(コピー用紙)、ノート(A4、B5サイズ、罫線入り、5mm方眼)、ラボラトリーノート(研究開発・特許記録用ノート)、バインダー(A4・2穴用)、ファイル(A4・2穴用)、インデックスカード(ファイルの仕切り用、A4・2穴用)、ポケット(手帳)、メモ(A6サイズ・バラ)、フォーム用紙(両耳スプロケット記録用紙9、10、15インチ用)、タックメモ(付箋タイプ)、付箋タック(糊付付箋紙)。 |
特殊加工品系 | プロテックコバレス(シリカゲル乾燥剤)、ウエハーBOX(別注加工品)、ノンカーボン紙(感圧式複写用紙)、サーマル用紙(感熱記録紙)。 |
ラベル系 | タックラベル(強粘着)、タックMR2ラベル(弱粘着)、リピールラベル(超弱粘着)、ノンシリコンラベル(非シリコンセパ使用)、バーコードラベル(熱転写リボン、インクジェット用)、耐熱ラベル、耐アルコールサーマルラベル、耐溶剤性向上ラベル、超低温ラベル |
中性紙、低発塵紙、金属合紙・挿間紙など | NB(中性紙)、NBMS(厚紙 300、500μm)、NIL(クリーンクラフト紙)、ラップクリーンG、GP(製品保護、包装用紙)、ウエハースペーサー(円形)、コア(紙管)、ASスタクリン(導電性クリーンペーパー) |
③ 1枚から別注対応
無ければ造る!
1枚から別注対応
製造元の桜井株式会社では、在庫品で対応できない場合、別注加工で対応しております。一般的には小ロット対応の場合でも最低ロット数という壁が発生することがありますが、こちらのスタクリンについては1枚から対応しております。(原紙在庫がある製品に限ります。)
スタクリン 加工体制
各種、加工対応も承っております。
スタクリンの加工(断裁、スリット、小巻、印刷、穴あけ等)をお受けする場合、桜井株式会社が認定した工場で加工を行います。日々クリーンな環境下で作業を行っているようです。
スタクリン 少し変わった活用事例をご紹介
オフセット印刷の際の校正紙に
版に紙粉が付くのを嫌い、スタクリンが採用。
一般的な紙では紙粉が発生してしまいます。場合によっては紙粉の影響で綺麗に印刷されないこともあります。
印刷品質を確保するため、校正段階では紙粉がほとんど発生しないスタクリンを活用し、本刷りに影響が出ないように上手く活用されるケースも存在します。
スタクリンカレンダー、スタクリン手帳
電子部品メーカーさん展示会のノベルティ用途に採用。
電子部品の製造工程では、僅かなゴミや塵すらも命取りになるケースが存在します。
電子部品メーカーのブランドイメージ向上に、スタクリンのノベルティグッズが活躍。
素材メーカーさんのオリジナル スタクリンノート
装置にカタログを入れたノートを貼っておきたいとの要望から、マグネット入りの特注ノートが採用。
各種、特注対応も承っております。まずはお気軽に機能紙選定ナビにご相談ください。
その他の無塵紙・クリーンペーパーについて
無塵紙・クリーンペーパーは、様々な製紙メーカーが製造しております。
今回、桜井株式会社のスタクリンを中心にご紹介しておりますが、お客様の用途や使用環境に応じて、最適な無塵紙・クリーンペーパーはそれぞれ異なります。
まずは無塵紙・クリーンペーパーでお悩みなら機能紙選定ナビにご相談ください。
ヒアリングを行い、最適な無塵紙・クリーンペーパーをご提案いたします。
無塵紙・クリーンペーパーの導入を考えている企業様へ
機能紙選定ナビでは今回ピックアップした無塵紙をはじめ、様々なメーカーの機能紙の取り扱いがございます。さらに弊社の方で機能紙を加工し製品・パッケージ化させお客様の方でご活用していただくことも可能です。もし無塵紙の導入をご検討中でしたら、お問い合わせフォームよりその旨お伝えください。改めて弊社営業よりご提案させて頂きます。
無塵紙を活用した製品の作成についても弊社にご相談ください。
機能紙選定ナビを運営する株式会社田村商店は1753年の創業以来、今までずっと「紙」に携わってきました。これまで築き上げてきた歴史と経験で皆様をサポートしてまいります。
電話でのお問い合わせ ☎:0258-46-9110
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