このページでは、企業の方へ『脱プラ・減プラ・SDGsの取り組み方』として、弊社がおすすめしている『プラスチック素材から紙素材への切替』について紹介しております。(※記事掲載日:2021/12/26 情報含む)
このページでわかること 簡単まとめ
- プラスチック素材は使い勝手がよく、機能性も高い
- 2022年4月めどにスタートする「プラスチック資源循環促進法」によるプラスチック素材の今後の動き、「排出を抑制」「過剰な利用を減らす」「代替素材への転換」
- 「代替素材への転換」に、紙素材への切り替えが有効
- 具体的な紙素材の製品例(日本製紙:シールドプラス・ラミナ・パルプモールド)
- 問題点としてコストアップが挙げられる。その対処法、具体的な取り入れ方をご紹介
- 食品会社・企業向け【脱プラ・SDGsの取り組み方】プラから紙への切替 まとめ
なぜ「プラスチック素材」が活用されてきたのか
現在、日本の多くの食品容器には、プラスチック製容器が使用されております。
プラスチック素材を活用するメリットとして
- 丈夫で加工しやすく扱いやすい
- 透明で中身が見える
- 機能性が高い
- 比較的安価で大量生産がしやすい
などの理由があり、ここまで幅広く活用されてきました。
ですが、ここ数年でプラスチック削減に向けての動きが活発になってきております。
環境・脱プラ・減プラ・SDGsについて、こちらのページでまとめてご紹介しております↓
「プラスチック素材」今後の動き
2020年7月1日よりレジ袋の有料化が始まりました。
2021年6月に成立した「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック資源循環促進法)」によって、政府は消費者に無償で提供される使い捨てプラスチック使用製品『12品目』について、排出を抑制し過剰な利用を減らす、あるいは代替素材への転換を促すこととしました。
※2022年4月をめどにスタート
プラスチック使用製品『12品目』
- コンビニ/スーパー等で配布される:スプーン・フォーク・ナイフ
- 宿泊施設等で使用される:くし・歯ブラシ・カミソリ
- その他:マドラー・ストロー・ヘアブラシ・シャワー用キャップ・ハンガー・衣類用カバー
これらについて「排出を抑制」「過剰な利用を減らす」「代替素材への転換」を促すのが「プラスチック資源循環促進法」
事業者には有料化、再利用、代替え素材への転換等の対策が求めれるそうです。
既に大手コンビニ、大手コーヒーチェーン店のプラスチック製ストローは、順次廃止・紙製への切り替えが進んでおります。
某お菓子メーカーのパッケージがオール紙製に切り替え。(紙箱・中敷きトレー・ピロー包装)
紙製のハンガー、カミソリの使用を検討する業者も出てきております。
上記は、ほんの一例です。
プラスチックの削減に加え、SDGsへの関心も高まっているいま、これを機に『紙製への切り替え』を検討している企業は多いです。
「紙製への切り替え」の前に
全てのプラスチック素材が「環境に悪影響を及ぼす」ということはございません。
そもそもプラスチック素材でも「適切な処理」を施せば問題はありません。
問題になっているのは、ポイ捨てやゴミ処理施設へ輸送される過程で環境中に出てしまうなど、様々な理由で「適切な処理をされなかったプラスチック」です。
プラスチックはその性質上、自然分解されず半永久的に残ります。
ですので「適切な処理」を施さないと、いま問題になっている廃棄プラスチック・マイクロプラスチック等の原因による環境問題・海洋汚染問題 として、地球に悪影響を及ぼしてしまうのです。
そうならないように、現在は
- プラスチック製品・素材の使用を減らそう
- リサイクルに出そう
- 他素材に移行しよう
この3項目の取り組みが主流となっており、弊社では、3. 他素材への移行 の候補として「紙製への切り替え」をおすすめしているのです。
「紙製への切り替え」 具体的な話・製品例・取り組み例
プラスチック素材から紙素材への移行は、以前から話は出てました。
ですがそれが上手く広がらなかった理由の一つに「技術的問題」がありました。
プラスチック素材は上記に記載してある通り、非常に扱いやすく・機能性も優れた素材です。
「プラでできたことを紙でも同じように」という概念では、期待通りの再現は難しく、挫折することが多いのが現状でした。
ですが、最近では技術の進展もあり、少しずつですが可能となってきているのです。
下記ではその一例を挙げていきます。
日本製紙 シールドプラス®
シールドプラス® について
内容物(特に食品)は製造して以降、時間の経過や環境変化によって次第に化学的な劣化が進みます。このため、内容物を包むパッケージには、酸素や水蒸気などの透過を防ぎ、内容物の商品価値低下を抑える機能が求められます。
シールドプラス®は、木質素材100%から成る基材に製紙用水系塗工技術を活用したバリア塗工層を付与することで誕生した、『環境に優しいバリア素材』です。
2020年10月、バリア屈曲耐性を向上させた「シールドプラスⅡ」として生まれ変わりました。
製品の特徴
- 酸素・水蒸気バリア性 … 優れたバリア性により、内容物を保護し品質を維持します
- フレーバーバリア性 … 内容物の香りを保持し、「におい」漏れ・「におい」移りを抑えます
- 環境適合性 …「紙」は循環型資源である「木」が原料です
シールドプラス 用途
バリア性(特に酸素・フレーバーバリア性)を必要とされる包材
・菓子類、シリアル、珈琲・紅茶、ペットフード
・焼菓子等の品質保持剤封入包材
・化粧品、香料・線香等の香り保持包材 など
※上記はあくまで当社で想定しているターゲットの一例です。
内容物や材質構成・使用方法・保管方法等により、
鮮度保持期間が変わりますので、各種評価の実施をお願いいたします。
※その他、用途に合わせた展開が可能です。
詳細に関しましては、弊社までお問い合わせください。
シールドプラスについて、ご不明点・ご質問等ございましたらお問い合わせフォームをご活用ください。
電話でのお問い合わせ ☎:0258-46-9110
紙のプロフェッショナルが、あなたの悩みを解決します
日本製紙 ラミナ®
ラミナ® について
近年、使い捨てプラスチック製品の流出等による海洋プラスチックごみ問題がクローズアップされていることを背景に、再利用可能で生分解性を有する素材への需要が高まっており、特にパッケージ分野では、環境にやさしい素材として「紙」が見直されています。
こうした状況の中で私たちは、長年培ってきた製紙技術と塗工技術を応用し、プラスチックを用いずに”紙だけでパッケージができるヒートシール紙” 「ラミナ®」 を開発しました。
製品の特長
- 循環型資源である「紙」が基材のため、環境適合性に優れます
- リードタイムを大幅に短縮します(ラミネート工程の省略)
通常の包装用紙の場合:印刷→ラミネート→エージング工程→スリット→出荷
ラミナ®を使用した場合:印刷→スリット→出荷 - あらゆるパッケージへの適用が可能です
食品・化粧品・日用雑貨など、さまざまな包装用途で検討できます
※シールドプラスのようなガスバリアはありません
※食品包装用途でご検討の場合は、汚損の恐れがない二次包装で使用することでリサイクル性が向上します
ラミナ 用途
バリア性が不要とされる包材
・食品、ペットフード、医薬品等の二次包材
・文房具、日用雑貨、衣類、電化製品等 各種軟包材 など
※上記はあくまで当社で想定しているターゲットの一例です。
※その他、用途に合わせた展開が可能です。
詳細に関しましては、弊社までお問い合わせください。
ラミナ ラインナップ
ベース原紙の異なる製品を複数ラインアップしています。印刷適性や必要強度に合わせてお選びいただけます。
ラミナについて、ご不明点・ご質問等ございましたらお問い合わせフォームをご活用ください。
電話でのお問い合わせ ☎:0258-46-9110
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パルプモールド の活用
箱の中身で使用するプラスチック製トレーをパルプモールドトレーに変更して活用することができます。
パルプモールドとは、古紙(主に新聞、雑誌、段ボール、印刷紙)を水で溶かして絡み合わせて金型で抄き上げた後、乾燥させてできる紙成型品です。主に緩衝材に使用されています。
パルプモールドについて、詳しくはお問い合わせフォームをご活用ください。
問題点・具体的な取り入れ方・おすすめの活用法
上記で脱プラへの取り組み例を紹介しましたが、もう一つ懸念すべき問題点があります。
それは「コスト面」です。
プラスチック素材は比較的安価で仕入れられますが、紙製に切り替えることでコストアップになってしまい、結局移行を諦めてしまう…なんてことも実際は多いです。
では「どうすればよいか」というと、弊社では「部分的に取り入れる」ことをおすすめしております。
「全商品を一括で紙製に切り替える」というのはあまり現実的ではありません。大手企業なら可能かもしれませんが、一般的な中小企業では切り替え作業も大変なうえ、コストアップした分をカバーするのは非常に大変です。
ですのでまずは小さい範囲で切り替えます。
例えば『ギフト商品』『限定商品』など、主力商品の前に『特定の商品』でテスト的に取り入れます。
『ギフト商品』『限定商品』なら通常商品より価格を上げやすく、紙製に切り替えてもその分カバーしやすいです。
また、「脱プラ」が厳しいようなら「減プラ」(プラスチック使用量を減らす)取り組みとして、まずはスタートしてみるのも問題ありません。
プラスチック使用量を減らす取り組みとして特定商品のみでも外部に発信することは可能です。
「環境に配慮した取り組み」「SDGsの取り組み」として一部商品を紙製に切り替えることで自社PRに繋がりイメージアップが期待できます。
まずは一部商品を紙製に切り替え、その結果を踏まえ今後の取り組みについて考えるのが現実的かつ堅実な取り組み方法として弊社ではおすすめしております。
紙製への切り替え おすすめ
- 『ギフト商品』『限定商品』等、一部商品の「包装資材」をプラスチック素材から紙製素材に切り替える
- 具体的には、袋・外箱・外装パッケージ・ピロー包装・内部トレー・仕切りトレー・容器・緩衝材などは紙製に切り替え可能(脱プラ・減プラ)
- 自社ホームページで取り組みを公表、メディアを活用して取り組みを公表、
商品外装表記に紙製への切り替えを記載するなど、「環境への取り組み」をPRすることができる
食品会社・企業向け【脱プラ・SDGsの取り組み方】プラから紙への切替 まとめ
- プラスチック素材は使い勝手がよく、機能性も高い。
- 2022年4月めどにスタートする「プラスチック資源循環促進法」によるプラスチック素材の今後の動き、「排出を抑制」「過剰な利用を減らす」「代替素材への転換」プラスチックの使用を減らす動きが加速。
- 「代替素材への転換」に、紙素材への切り替えが有効。
- 具体的な紙素材の製品例(日本製紙:シールドプラス・ラミナ・パルプモールド)
- 技術の進歩もあり、徐々にプラから紙への切り替えが本格化。
- 問題点としてコストアップが挙げられるが、『ギフト商品』『限定商品』等の一部商品でまずは試験的に取り入れてみる。特定商品のみならコストアップのカバーがしやすい。
- まずは出来る所から取り組んでみる。上手く取り組めたら横展開も可能。
自社の取り組みを外部に発信し消費者の注目を集め好循環を生み出していく。
既に世界中で「脱プラ・減プラ・SDGs」の動きにより、環境に優しい素材への切り替えが進んでいます。
日本国内でのこれらの動きは世界から見たら遅れており、政府は早く追いつこうと必死です。
政府は我々企業にも素早い対応を迫っており、「何もしない」という選択は厳しくなってくるでしょう。
他の企業の出方を見るのは一つの手ですが、同業他社より早く取り組んで、差別化要素とした方が自社PRにも繋がります。
プラから紙への切り替えは「環境への配慮」「差別化要素」として有力な施策の一つです。
他社より先に、まずは自社商品に一部でも取り入れてみるのをおすすめします。
プラから紙への切り替えにおいて、ご不明点やご質問、さらに具体的な話、他社の事例など、詳しく知りたい場合は弊社にお問い合わせください。
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