\ 保護紙について “2分半” で解説 /
「保護紙」という言葉は「何かを保護する紙」として、物理的な保護や日常の梱包用の紙として一般的には認識されることが多いです。
ですが、紙の業界では保存目的や素材の長期的な保護を考慮した専門的な紙を指し、酸化防止などの高度な機能を備えた紙として、主に美術品や資料を保護するための中性紙やアルカリ性紙のことを指すことが多いです。
同じ「保護紙」という言葉でも様々な捉え方ができ、使用する用途ごとに最適な「保護紙」が存在します。
本記事では、以下の3つの視点 で保護紙について解説していきます。(弊社でも直接販売しております)
- 美術品や資料の保護を目的とした保護紙(中性紙・アルカリ性紙)の解説と販売
→こちらの①保護紙はこちらから - 商品の傷つき防止、緩衝材を目的とした保護紙(低密度紙・クッション紙・薄葉紙・厚紙)の解説と販売
→こちらの②保護紙はこちらから - 脱プラ、環境配慮を目的とした保護紙(クラフト紙・ボーガスペーパー・パルプモールド・環境配慮紙)の解説と販売
→こちらの③保護紙はこちらから
こんな方向けの記事です
- 大切な作品の保護に最適な紙を探している
- 美術作品や重要な資料を保護する紙を探している
- 自社商品の保護に適した紙を探している
- 商品/素材の傷つき防止用素材を探している
- 梱包材に入れる紙製の緩衝材を探している
- 保護紙、保護材のコスト削減をしたい
- 緩衝材、クッション材のコスト削減をしたい
- 環境に配慮した素材を活用したい
- 紙の相談をしたい
こんな紙を下記で紹介しています
- 中性紙(pHが中性の紙)
- アルカリ性紙(pHがアルカリ性の紙)
- 薄葉紙(薄い紙)
- 厚紙(厚い紙)
- 低密度紙(クッション性を備えた紙)
- クラフト紙(茶色い紙)
- ボーガスペーパー(低コスト/環境に優しい紙)
- パルプモールド(複雑な立体成形が可能な紙)
- 環境配慮紙(環境に優しい紙)
はじめに
紙は様々な用途で活用されておりますが、その一部に商品や作品・素材や材料の保護を目的として活用されています。大切な何かを「保護」する目的で使用されたり、梱包内でのあばれ防止や、素材や材料同士がぶつかり合い、傷付くのを防ぐ目的で緩衝材やクッション材として使用されることもあります。
一般的には「包装紙」のように商品を紙で覆うことで保護することができますが、外側を保護する目的以外にも材料同士が擦れ合い破損/劣化を防ぐためにそれぞれの間に入れる紙「間紙」(挿間紙/層間紙や合紙とも呼ばれ、輸送や保管時によく用いられる)としても活躍します。(人それぞれ呼び名が異なることがあります)
他にも大切な作品、美術品や資料を保護するための重要な素材としても活躍します。特に、酸性紙が引き起こす劣化の問題は、写真や織物、貴重な書類の保存において大きな課題となっています。
本記事では、酸性紙に対処し、作品や資料を適切に保護するための「中性紙」や「アルカリ性紙」、「物理的な保護を目的とした紙」や「緩衝材やクッション材としての紙」の種類を詳しくご紹介します。また、これらの紙製品を通じて、環境に配慮した保存方法や保護材を提案しており、弊社ではこれらの紙を活用しやすいよう加工して皆様にご提供しております。(様々な紙のご相談も無料で対応しております)
こんな方向けの記事です
- 大切な作品の保護に最適な紙を探している
- 美術作品や重要な資料を保護する紙を探している
- 自社商品の保護に適した紙を探している
- 商品/素材の傷つき防止用素材を探している
- 梱包材に入れる紙製の緩衝材を探している
- 保護紙、保護材のコスト削減をしたい
- 緩衝材、クッション材のコスト削減をしたい
- 環境に配慮した素材を活用したい
- 紙の相談をしたい
こんな紙を下記で紹介しています
- 中性紙(pHが中性の紙)
- アルカリ性紙(pHがアルカリ性の紙)
- 薄葉紙(薄い紙)
- 厚紙(厚い紙)
- 低密度紙(クッション性を備えた紙)
- クラフト紙(茶色い紙)
- ボーガスペーパー(低コスト/環境に優しい紙)
- パルプモールド(複雑な立体成形が可能な紙)
- 環境配慮紙(環境に優しい紙)
① 美術品や資料を保護する紙と用紙の酸性紙問題
最初にご紹介する「保護紙」は、主に美術品や資料を保護するための重要な素材として活躍する「保護紙」です。これには「酸性紙問題」を元にした考えがあるため、まずはこちらの問題から簡単に解説します。
酸性紙問題とは?
酸性紙問題とは、紙が酸性であるために時間とともに劣化しやすくなる問題を指します。20世紀初頭から中頃にかけて、紙の大量生産が進む中で、酸性の薬品(硫酸アルミニウムなど)が紙の製造に使用されていました。その結果、紙の中に酸性物質が残り、次のような問題が発生しました。
- 劣化が早い:
酸性紙は時間が経つと黄ばんだり、脆くなって破れやすくなります。特に、古い新聞や書籍が劣化しているのはこのためです。 - 保存が難しい:
酸性紙は長期間の保存に適していないため、図書館やアーカイブで保管されている資料が次第に劣化し、保存が困難になります。 - 文化遺産の劣化:
歴史的な文書や本、新聞、写真など、文化的価値の高い資料が酸性紙で作られていることが多く、それらの劣化が大きな課題となっています。
現在では、酸性紙の劣化を防ぐために、保存には中性紙やアルカリ性紙が使われています。
酸性紙とは?
酸性紙とは、紙の製造過程で酸性物質が含まれている紙のことを指します。特に、20世紀半ばまでの多くの紙製品は酸性紙として製造されていました。
酸性紙は、時間とともに脆くなり、黄変するという問題があります。これは、酸性物質が紙の繊維にダメージを与えるためです。特に、長期保存が必要な文書や美術品には不向きで、保存性の高い中性紙やアルカリ性紙が推奨されています。酸性紙の劣化は、多くの歴史的文書や書籍に影響を与えており、保存においては大きな課題となっています。
酸性紙について詳しく見る(クリックで展開)
酸性紙の特徴
- 酸性物質の含有:
酸性紙には、製造時に使用される酸性の化学物質(硫酸アルミニウムなど)が含まれています。この酸性成分は、時間とともに紙の繊維を劣化させる原因となります。 - 劣化が早い:
酸性紙は、時間が経つにつれて黄変したり、脆くなったりする傾向があります。これは、紙の中に含まれる酸が繊維を分解するためです。例えば、古い新聞や雑誌が黄ばんで崩れやすくなるのは、酸性紙が使われているためです。 - 保存性が低い:
酸性紙は保存性が低いため、長期間保存する文書や美術品には適していません。紙の酸化が進むと、重要な書類や作品が劣化してしまう可能性があります。
酸性紙の製造と歴史
酸性紙は、19世紀後半から20世紀前半にかけて広く使用されました。この時期、紙の大量生産を可能にするために、酸性の硫酸アルミニウムがパルプの処理に使われるようになりました。これにより、紙を低コストで大量に作ることができましたが、酸性成分が残留することによって紙の劣化が進みやすいという問題が発生しました。
酸性紙の問題点
- 劣化のスピード:
酸性紙は劣化が早く、黄変や脆化が数十年の間に進行します。そのため、古い書籍や新聞は酸性紙で作られていることが多く、劣化が目立つものが多いです。 - 保存が困難:
酸性紙は長期保存には不向きで、図書館やアーカイブで保存される資料の多くは酸性紙のために劣化しています。この問題に対処するために、重要な文書は中性紙やアルカリ性紙に切り替えられています。
酸性紙の解決策
酸性紙の劣化問題を解決するために、現在では中性紙やアルカリ性紙が主に使われています。これらの紙は、酸性物質を含まず、長期保存が可能な特性を持っています。また、既存の酸性紙を保存するために、脱酸処理(酸性成分を中和する処理)も行われることがあります。
酸性紙 簡単まとめ
酸性紙は、酸性の成分を含んでいるため劣化が早く、黄変や脆化が進行しやすい紙です。特に、長期保存が必要な文書や美術品には不向きで、保存性の高い中性紙やアルカリ性紙が推奨されています。酸性紙の劣化は、多くの歴史的文書や書籍に影響を与えており、保存においては大きな課題となっています。
アルカリ性紙とは?
アルカリ性紙とは、製造過程でアルカリ性の成分(通常は炭酸カルシウムなどのアルカリバッファー)が含まれている紙を指します。この紙は、酸性紙に比べて酸化による劣化が少なく、長期間保存する用途に適しています。
アルカリ性紙について詳しく見る(クリックで展開)
アルカリ性紙の特徴
- 酸に対する耐性:
アルカリ性紙にはアルカリ性の成分が含まれているため、外部からの酸性物質や酸性環境に対して強い耐性を持っています。これにより、紙が酸化して劣化するのを防ぎます。 - 長期保存性:
アルカリ性紙は、酸性紙に比べて劣化が少なく、長期間保存に適しています。このため、書籍や文書、重要な記録の保存に広く利用されています。 - アルカリバッファー:
アルカリ性紙には炭酸カルシウムなどのアルカリバッファーが含まれており、酸性物質が紙に侵入した際に中和する働きを持っています。このバッファー効果により、紙が長期間にわたって酸性化しにくくなっています。 - 中性紙との関係:
中性紙とは、酸性もアルカリ性も持たない中性の紙ですが、アルカリ性紙はその中でもアルカリ性に傾いたものです。どちらも酸性化を防ぐために使われますが、アルカリ性紙はさらに耐久性を高めるためにアルカリ成分が含まれています。
アルカリ性紙の用途
- 書籍・記録文書の保存:
長期保存が必要な書籍や公式文書、記録文書に広く使用されています。図書館や公文書館での資料保存に適しており、保存寿命が長いことが特徴です。 - 美術作品の保護:
特に酸性に弱い美術作品や写真の保護にアルカリ性紙が使用されます。美術品の保護やアーカイバル用途に適しています。 - 出版物:
高品質の書籍や辞書、百科事典などの長期にわたって使われる出版物に使用されています。酸性紙よりも耐久性が高く、劣化しにくいという特性から、学術書やコレクション用の書籍にも採用されます。
アルカリ性紙が選ばれる理由
- 環境への配慮:
現代の紙製造プロセスでは、酸性紙の製造が減少し、アルカリ性や中性紙が主流となっています。これにより、紙製品の耐久性が向上し、環境に対する負荷も軽減されます。また、既存の酸性紙を保存するために、脱酸処理(酸性成分を中和する処理)も行われることがあります。 - 酸化による劣化防止:
酸性環境下での劣化を防ぐため、アルカリ性の紙は重要な文書や作品の保存に適しています。 - コスト効率:
長期間の保存が可能なため、コストパフォーマンスが高いとされています。頻繁に交換する必要がないため、長期的にはコストを抑えることができます。
アルカリ性紙が適さない場合も
一方で、アルカリに敏感な素材(写真、染織品、一部の絵画や特定の紙製品)には、アルカリ性の紙は適していません。これらの素材は、アルカリに触れると化学反応を起こして変色や劣化が進むことがあります。そのため、こうした場合には中性紙(酸もアルカリも含まない紙)が推奨されます。
アルカリ性紙 簡単まとめ
アルカリ性紙は、酸化による劣化を防ぐためにアルカリ成分を含んでいる紙で、長期保存に優れた特性を持っています。書籍や美術作品、記録文書の保存に適しており、酸性紙の欠点を克服した耐久性の高い紙です。
中性紙とは?
中性紙とは、酸性でもアルカリ性でもない中性のpH値(一般的には6.5〜7.5)の範囲にある紙のことです。中性紙は、酸性物質を含んでいないため、酸性紙に比べて長期保存に優れています。また、アルカリに敏感な資料や作品の保護にも活用されます。中性紙は、劣化しにくく、保存性が高いことから、重要な文書や書籍、美術品の保存に広く使用されています。
中性紙について詳しく見る(クリックで展開)
中性紙の特徴
- 劣化しにくい:
中性紙は酸性物質を含まないため、時間が経っても紙が劣化しにくく、黄変や脆くなるといった問題が少ないです。 - 保存性が高い:
中性紙は、長期保存に適しているため、図書館やアーカイブ、美術館などで資料や書籍の保存に使用されます。酸性紙が短期間で劣化しやすいのに対して、中性紙は何十年、何世紀にもわたって安定した状態を保つことができます。 - 製造工程:
中性紙は、紙の製造過程で酸性の薬品(例えば硫酸アルミニウム)を使用しておりません。 - 用途:
・書籍や文書の保存
・写真や美術品の保護
・公式記録や契約書など、長期間保存が必要な書類
中性紙が選ばれる理由
- 酸性紙の問題の解決:
20世紀前半まで多くの紙は酸性紙で作られていましたが、酸性紙は劣化が早く、保存に不向きです。これに対して、中性紙は酸性の影響を受けにくく、劣化が少ないため、保存資料には適しています。 - 環境への影響が少ない:
中性紙の製造は、酸性物質を使わないため、製造過程でも環境負荷が少ないとされています。 - 写真の保護:
アルカリに弱い写真を長期間美しく保存します。 - 織物や染色品の保護:
デリケートな織物や染色品も、中性紙で保護することで、化学的な影響を避けられます。
中性紙の種類
中性紙には様々な種類があり、用途に応じて最適な中性紙を選ぶ必要があります。下記で中性紙の種類を紹介します。
ピュアSILティッシュ
中性薄葉紙:「薄く・強く・柔らかい」薄葉紙です。
漆器をはじめとする表面のデリケートな工芸品を傷つけずに包む保護紙として開発されました。繊維の流れに方向性があり、タテ方向の引っ張りに強い紙です。
美術工芸品など、立体的な作品に最適な保護・包装紙です。
使用例
紙縒(こよ)りにすると、作品の包装後に縛るヒモにもなります。
工芸品などの立体的な作品の保護・包装紙。
ノンバッファー紙
ノンバッファ:酸もアルカリも含めないノンバッファ紙です。
アルカリに対して特に弱い写真や染織品、紙資料などの保護にご利用ください。
使用例
- ピュアガード120 …封筒やタトウ用に。
- アルカリに敏感な資料や作品の保護用紙。
- 紙ベースでは、青焼き・ジアゾコピーなど。
- 写真類は、ダゲレオタイプ・ガラス原板・鶏卵紙(アルビューメン)・コロジオン・白黒写真・カラー写真など。
- テキスタイルは、シルク・ウール・染織品など。
- ピュアガード45・70 …一枚ものの資料の間紙や包装紙など。
ピュアガード45
ピュアガード70
ピュアガード120
アルカリ性紙の種類
美術作品や重要な資料を保護する際、額縁や保存箱の内側から発生する酸性物質は大きな問題です。これに対処するために、額縁の裏側や保存箱の内側には、酸性物質を中和するアルカリ性紙(バリアーペーパー)を使用することが推奨されます。
アルカリ性紙(バリアーペーパー)の役割
- 酸性物質の中和:合板や段ボールから発生する酸性物質を中和し、作品への影響を防ぎます。
- 保護効果:額縁の裏側や保存箱の内側に使用することで、保存環境全体の酸性化を防ぎ、資料や作品を長期間安全に保管できます。
AFプロテクト
アルカリバッファ:強い酸性物質から作品を保護するバリアーペーパーです。
額縁の裏側に使われる合板からは、強い酸性物質が発生します。これらの酸に対する緩衝材として、アルカリを含んでおります。(アルカリバッファといいます)
使用例
- 額縁の裏板の内側に。
AFプロテクトH
アルカリバッファ:封筒や保存箱のクルミ貼り用の保護紙です。
折り曲げや表面強度を考慮し、表面のケバ立ちがおさえてあります。
作品に直接ふれることもあるので、酸に対する緩衝としてのアルカリ量は、AFプロテクトよりもおさえてあります。
使用例
フォルダーなど。
保護用封筒、保存箱のクルミ貼り。
AFハードボード
アルカリバッファ:保存箱やタトウ、帙(ちつ)などの専用ボードです。
折り曲げ強度や表面強度のある厚紙です。
厚さは、用途にあわせ3種類あります。
0.45mmは折る・切るなどの手加工がしやすく、資料のサイズに合わせたタトウや帙を作ることができます。
0.63mm・0.9mmは厚みがあるため、製本やフォルダーの表紙などに適しています。
色は、汚れの目立たないニュートラルグレー仕上げです。
・寸法(mm)1100×800
・pH7.5 ~ 10
使用例
- 0.45mm タトウ、帙組み立て式保存箱など。
- 0.63mm・0.9mm 製本やフォルダーの表紙、棚板の敷き紙など。
アーカイバルボード
アルカリバッファ:資料や作品を保護するダンボールです。
100%バージンパルプを用いているため、一般のダンボールより2~3倍の強度があります。弱アルカリです。用途に応じて3種類の厚さがあります。
色は目にやさしく汚れの目立たないニュートラルグレー仕上げです。
種類
- アーカイバルボード
保存箱、棚板の敷き紙、仕切り板、額縁の裏板など。
■規格
厚さ約3mm
寸法(mm)940×1100/1200×1200/1300×850
包装単位10枚
pH7.5 ~ 10 - アーカイバルボードTM
変型本や大型本の保護箱、仕切り板など。
■規格
厚さ約1.9mm
寸法(mm)1100×800
包装単位25枚
pH7.5 ~ 10 - アーカイバルボードW
額縁の裏板、保存箱や引き出し内の仕切り板など。
■規格
厚さ約8mm
寸法(mm)1200×900包装単位10枚
寸法(mm)1200×1800包装単位5枚
pH7.5 ~ 10
中芯と寸法表示の関係
電話でのお問い合わせ ☎:0258-46-9110
紙のプロフェッショナルが、あなたの悩みを解決します
② 物理的な保護や梱包用の緩衝紙・クッション紙
紙製の緩衝材・クッション材(緩衝紙・クッション紙)は大切な商品や物品を包装したり輸送する際に、衝撃や傷、破損を防ぐために使用される紙製の素材です。一般的には保護する対象の種類や大きさ、包装形態、輸送方法・管理方法・重要度などから適した緩衝紙やクッション紙を選択し活用されますが、現在では様々な紙が用いられております。
以下に緩衝紙やクッション紙として活用されている紙の紹介と、なぜ紙の緩衝材がいま注目されているかを解説します。(弊社でも様々な緩衝紙・クッション紙を直接販売しております)
紙の緩衝材が注目されている背景
紙の緩衝材が注目されている背景には、世界的な「脱プラスチック(脱プラ)」の動きが大きく影響しています。以下に、脱プラの視点から紙の緩衝材が注目されている理由をまとめます。
注目されている理由 詳しく見る(クリックで展開)
1. プラスチックの環境問題
プラスチックは、緩衝材や包装材として長く使われてきましたが、その使用に伴う環境問題が深刻化しています。特に、以下のような問題が指摘されています。
- 海洋汚染:
プラスチックゴミが海に流れ込むことで、海洋生物が誤食したり、生態系に悪影響を及ぼしています。マイクロプラスチックによる汚染も大きな懸念です。 - 分解に時間がかかる:
プラスチックは自然環境で分解されるのに数百年かかるため、ゴミの蓄積が進行しています。 - リサイクルの限界:
プラスチックのリサイクル率は低く、多くのプラスチックが最終的には埋立地や焼却処理され、環境への負荷が大きくなっています。
こうしたプラスチックの環境負荷を軽減するため、世界中で「脱プラスチック」や「使い捨てプラスチック削減」の動きが加速しています。
2. 紙の緩衝材への転換
紙の緩衝材は、これまでのプラスチック製品に代わる持続可能な選択肢として注目されています。その背景には、以下の理由があります。
a. 再生可能な資源
紙は木材由来の再生可能資源から作られており、持続可能な森林管理の下で生産されることが可能です。プラスチックと異なり、原材料が再生可能であり、適切な管理の下で持続的な利用が可能です。
b. 生分解性と環境負荷の低減
紙は自然環境中で比較的早く分解されます。これは、分解に何百年もかかるプラスチックと比べて大きな利点です。紙の緩衝材は、使用後に廃棄されても土壌や環境に悪影響を与えることが少なく、環境負荷を大幅に軽減することができます。
c. リサイクルのしやすさ
紙はプラスチックよりもリサイクルしやすく、多くの国や地域でリサイクルシステムが整備されています。紙の緩衝材は、使用後にリサイクルされ、新しい紙製品として再利用することが可能です。また、リサイクル率が高いため、資源の循環型社会の実現にも貢献します。
3. 脱プラ規制の強化
多くの国で、プラスチックの使用を制限する法規制が進んでいます。例えば、使い捨てプラスチック製品の販売や使用が禁止される動きが広がっており、企業は代替素材への切り替えを迫られています。こうした背景から、紙の緩衝材はプラスチックの代替品として非常に重要な選択肢となっています。
4. 企業のサステナビリティ戦略
企業にとって、環境に配慮した商品やパッケージを提供することは、消費者の信頼を得るための重要な要素となっています。特に「脱プラ」や「サステナブル」をキーワードにした商品は、消費者に支持されやすく、企業のブランドイメージ向上にもつながります。紙の緩衝材は、環境負荷を低減しつつ、企業が持続可能なビジネスを実現する手段として採用されています。
5. 消費者の環境意識の高まり
消費者の間で、環境に優しい製品やパッケージへの関心が高まっています。使い捨てプラスチックに対する批判が強まり、環境に配慮した選択肢を求める声が増えています。紙の緩衝材は、消費者の環境意識に応える形で選ばれやすくなっています
簡単まとめ
「物理的な保護」を目的とした紙の緩衝材は、脱プラスチックの潮流の中で、環境に優しい素材として大きな注目を集めています。再生可能でリサイクルが容易、生分解性を持つ紙製品は、プラスチックの代替品としてサステナブルな選択肢となり、企業や消費者に支持されています。特に、環境問題に配慮した製品やパッケージングを求める動きが加速する中で、紙の緩衝材は今後も重要な役割を果たしていくでしょう。
上記の視点から、紙を活用した緩衝材やクッション材の需要は高く、既に多くの企業でも取り入れられております。
用途ごとに適した紙は異なりますが一般的には
- 薄葉紙 : 薄く軽い紙
- 厚紙 : 厚く丈夫な紙
- 低密度紙: 柔らかくクッション性のある紙
- 再生クラフト紙:リサイクルされたパルプ(古紙など)を活用した茶色い紙
- ボーガスペーパー:サトウキビの搾りかすであるバガス(bagasse)を原料として作られた茶色い紙
- パルプモールド:リサイクルされたパルプ(古紙など)を活用した複雑な立体成形が可能な紙
- 環境配慮紙:FSC®森林認証紙 / ECFパルプ紙 / 混抄紙 など、一般的な紙よりさらに環境配慮に特化
など、多様な紙製緩衝材が選ばれております。これらは、衝撃や振動から貴重な品物を守るために広く使われており、特に環境に優しい素材として再評価されています。以下に、それぞれの特徴をまとめます。(弊社でも直接販売しております)
薄葉紙
薄葉紙とは、文字通り厚さが非常に薄い紙の総称で、薄紙とも呼ばれています。薄葉紙は主に和紙と洋紙の2種類に分けられます。
一般的には「包装用紙」としてや「緩衝材」として活用されています。清潔感や高級感があり、洋服や靴を包装する紙として、オシャレなラッピングペーパーとしての利用の他、商品・製品の保護紙としての役割を担っています。
\薄葉紙について簡単解説/
薄葉紙の商品例
- グラシン紙(ラッピング・クッキングシート・薬包紙・食品用途・印刷用途・包装用途などに活用)
- 純白ロール紙(インナーラップ・保護・印刷用途・包装用途などに活用)
- カラー薄葉紙(ラッピング・包装用途などに活用)
- FSC®認証 薄葉紙(FSC®認証を取得した薄葉紙 包装・保護・緩衝用途で特に環境に優しい取り組みに活用)
- 鮮度保持紙・グリーンパーチ紙(食品用途・鮮度保持・熟成・包装用途などに活用)
\薄葉紙の詳細はこちらから/
厚紙
厚紙とは、日常でよく使われる普通の紙(コピー用紙やメモ用紙など)よりも厚手で、丈夫な紙を指します。
一般的には、招待状やビジネスカード、ポスターなど、耐久性と少しの剛性が求められるアイテムに使用されることが多いですが、その厚みと耐久性を活かした保護材としての活用や、ギフトボックス・パッケージング材料、さらには産業用途での重要な役割を果たしています。
\厚紙について簡単解説/
厚い紙の商品例
- 厚紙・台紙(一般的な紙の厚手タイプ・厚口以上のもの全般)ハガキ・賞状・ポスター・カレンダー等
- 紙器用板紙(カード紙 / コートボール紙など)各種パッケージ・ギフトボックス・出版表紙等
- 特殊板紙(機能性板紙 / 防水原紙 / 石膏ボード原紙など)補強材・保護材・背板・特殊産業用途に
- 段ボール原紙(中芯原紙 / ライナー)緩衝材・保護材・梱包材・段ボール製品として
- 特殊硬質繊維ボ-ド(PASCO / バルカナイズドファイバー)プラスチックの代替素材として
\厚紙の詳細はこちらから/
低密度紙・クッション紙
低密度紙およびクッション紙とは、軽くて柔らかい紙で、主に物品を保護するための緩衝材やクッション材として使用される紙製品を指します。これらの紙は、主に梱包や輸送時に衝撃や振動から物品を守る役割を果たし、環境に優しい緩衝材として注目されています。
低密度紙は、紙の繊維が密集していないため、軽量で柔らかく、クッション性があるのが特徴です。密度が低い分、紙に空気が多く含まれており、軽量化されると同時に、衝撃吸収力が高くなります。
低密度紙・クッション紙の特徴
- 軽量:紙が軽いため、輸送コストを抑えることができます。
- クッション性 :空気を多く含んでいるため、物品を衝撃や振動から保護することができます。
- 加工しやすい :柔らかい素材のため、簡単に折ったり形を変えたりできる。
低密度紙・クッション紙の用途
- 輸送時の緩衝材として精密機器やガラス製品など割れやすい製品の保護に使われます。
- 家具や大型製品の輸送時の保護材としても使用されます。
- 一部の商品は食品台紙にも使用されます。(詳細はこちら)
低密度紙・クッション紙の例
〇フワットライト(通常の紙に比べて約5倍のクッション性弾力性)
「フワットライト」は、板紙や厚ろ紙に比べてはるかにクッション性があるため、衝撃を吸収したりひずみを緩和する緩衝材として優れた機能を発揮します。さらに、「フワットライト」同士を貼り合わせて複合体にすることで、スチレンボードと同様のクッション性の高い板状のシートを作ることができ、さまざまな分野の商品に応用することができます。また、熱に強く、プレス加工で精密な型押しや抜き打ちが簡単にできるため、半導体基板製造などの工業用ベース機材として高い信頼性があります。
▼主な特徴
- 軽量性:従来の紙にない厚さと軽さを実現
- クッション性:通常の紙に比べて約5倍のクッション性弾力性
- 保温・保冷性:熱伝導率が低く、保温・保冷性、断熱性に優れています
- 吸水性:吸水性が非常に高く、素材はパルプを使用しているため安全性も高く、生活用品に幅広く活用できます
- 通気性:非常に密度が低く、内部に大きな空間を持っており、靴の中敷きや収納用品などの中間素材としても最適
- 安全性・エコロジー性:生活用品、インテリア用品など幅広く使用できます
▼主な用途
クッション紙管、緩衝用段ボール、保温、保冷段ボール(内貼り材)など
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〇青果物吸水紙(吸水性/クッション性のある厚紙)
〇コースター原紙(吸水性/クッション性のある厚紙)
③ 環境配慮を目的とした保護紙・緩衝紙・緩衝材
上記で説明してきた通り、紙製の緩衝材は環境に優しい特性があります。
ですが、上記でご紹介してきた紙よりも、さらに環境に優しい取り組みとしてPRできる紙素材が存在します。
- 再生クラフト紙 :リサイクルされたパルプ(古紙など)を活用した茶色い紙
- ボーガスペーパー:サトウキビの搾りかすであるバガス(bagasse)を原料として作られた茶色い紙
- パルプモールド :リサイクルされたパルプ(古紙など)を活用した複雑な立体成形が可能な紙
- 環境配慮紙:FSC®森林認証紙 / ECFパルプ紙 / 混抄紙 など、一般的な紙よりさらに環境配慮に特化
これらの紙を保護紙・緩衝紙として活用することで、さらに環境配慮の取り組みとしてPRすることが可能です。
特にクラフト紙や再生クラフト紙、ボーガスペーパーは低価格で購入することができ使い勝手も良く活用の幅が広いのが特徴です。(弊社でも販売中)既に多くの企業でも取り入れられており、例えば段ボール内の緩衝材としての活用や、食器やガラス製品の梱包・緩衝用途としてなど、数多く利用されております。
プラスチック素材の緩衝材から…
紙製の緩衝材へ!
クラフト紙・再生クラフト紙
クラフト紙(クラフトペーパー)は、クラフト法という製造方法で作られた強度の高い紙です。主に長繊維のパルプを原料としており、その強度と耐久性から包装紙や緩衝材として広く使用されています
クラフト紙は通常、木材パルプを主な原料として作られますが、製造プロセスによっては古紙を使用してリサイクルされたクラフト紙も存在します。クラフト紙そのものは、木材パルプから化学的なクラフト法(硫酸塩パルプ法)を使って製造されるため、元々は未漂白の木材パルプが原料です。しかし、環境配慮の観点から、リサイクルされた再生クラフト紙も広く利用されています。「クラフト」という名前は、ドイツ語で「力」を意味し、その名の通り引っ張り強度や破れにくさが特長です。
クラフト紙の種類
クラフト紙は大きく分けてバージンクラフト紙(原料はバージンパルプ)と再生クラフト紙(原料は古紙/リサイクルされた紙)に分けられます。そこからさらに加工種類ごとに名称が異なり、晒クラフト紙(漂白された白いクラフト紙で、見た目が美しく印刷適性も高い)片艶クラフト紙(片面が滑らかに加工され、もう片面はザラザラ/未加工)など、多岐にわたります。以下でクラフト紙の種類を解説します。(弊社でも低価格で直接販売しております)
- バージン(未使用)クラフト紙
- 原料:主に木材パルプ(バージンパルプ)から作られる未漂白の紙です。高い強度と耐久性を持ちます。
- 用途:荷物の包装、紙袋、梱包材など、強度が求められる場面で使用されます。
- 再生クラフト紙(リサイクルクラフト紙)
- 原料:古紙(リサイクルされた紙)を原料にして作られたクラフト紙です。環境負荷を減らし、持続可能な製品です。
- 用途:荷物の包装、再生紙袋など。強度はバージンクラフト紙ほどではありませんが、環境に配慮した選択肢として広く使用されています。
クラフト紙 加工種類ごとの名称
1. 未晒クラフト紙
- 特徴:未漂白の自然な茶色のクラフト紙で、強度と耐久性に優れ、エコ志向が強い。
- 用途:包装材、紙袋、梱包材として幅広く使用。
2. 晒クラフト紙
- 特徴:漂白された白いクラフト紙で、見た目が美しく印刷適性も高い。
- 用途:高級な包装紙や印刷物、食品包装。
3. 両更クラフト紙
- 特徴:両面ともに未加工で、滑らかさがないため、強度が求められる包装材に適している。
- 用途:梱包材や包装紙に最適。
4. 片艶クラフト紙
- 特徴:片面だけ滑らかで艶があるため、印刷やデザインに適している。
- 用途:包装紙や紙袋、印刷用紙。
5. 防湿クラフト紙
- 特徴:防湿加工が施されており、水分や湿気を防ぐ効果がある。
- 用途:食品包装や工業製品の保護。
6. 耐水クラフト紙
- 特徴:耐水性が高く、湿度の高い環境や屋外でも使用可能。
- 用途:工業製品や食品の屋外での包装材。
7. 強化クラフト紙
- 特徴:通常のクラフト紙よりも強度がさらに強化され、重いものや壊れやすいものを保護する。
- 用途:重量物の梱包や輸送。
クラフト紙の特徴
- 強度が高い :引っ張りや破れに強く、重い物の包装や保護に適しています。
- 耐久性がある:長期間の使用や輸送中の衝撃にも耐える紙です。
- 環境に優しい:リサイクルが可能で、再生紙としても使われることが多いです。
- 用途が広い :包装紙、封筒、紙袋、梱包材として幅広く使われています。
用途
- 梱包材や包装紙として物品を保護
- 紙袋や封筒の材料
- クラフト製品や工作用の材料
クラフト紙は、耐久性と環境への配慮を兼ね備えた紙で、日常の多くの場面で使用されています。
使用時に使いやすい形態(ロール状、平板)、大きいサイズや小さいサイズでの納品にも対応しております。
ボーガスペーパー
ボーガスペーパーとは、サトウキビの搾りかすであるバガス(bagasse)を原料として作られた紙のことです。バガスは、サトウキビから砂糖を製造した後に残る廃棄物で、これを再利用して紙を作ることで、環境に優しい紙製品として注目されています。見た目はクラフト紙と似ていますが、紙強度はクラフト紙よりも劣る場合が多いです。柔軟性はクラフト紙よりも優れているため、主に紙製の保護材、緩衝材、クッション材としての活用がおすすめです。
ボーガスペーパーの特徴
- 環境に優しい:バガスはサトウキビの副産物であり、再生可能な資源です。廃棄物を再利用して紙を作るため、環境負荷が低いです。
- 低コスト:廃棄物を利用するため、製造コストが抑えられます。
- 柔らかく加工しやすい:柔軟性があり、折り曲げやすく加工しやすい紙です。
- リサイクル可能:リサイクルが容易で、持続可能な資源としても優れています。
用途
- 包装材、保護材、緩衝材、クッション材
- 食品トレーや紙皿などの使い捨て容器
- 印刷用紙や書籍の紙
ボーガスペーパーは、低価格で環境に配慮した製品として、さまざまな分野で利用されています。
電話でのお問い合わせ ☎:0258-46-9110
紙のプロフェッショナルが、あなたの悩みを解決します
紙製緩衝材 サンヨーパック
上記でご紹介した紙も紙製の緩衝材として活用できますが「大きな隙間を埋める」目的では、下記の緩衝材が優れております。国内での活用はもちろん、海外への輸出・活用でもこちらの紙製緩衝材が注目されております。
サンヨーパック 小
優れた緩衝性があり、あらゆる梱包物に対応しています。またリサイクル材を使用していますので、環境問題を考える企業としてのイメージアップが図れます。
使用例:梱包物などの緩衝材
名称 | 袋サイズ(mm) | 小袋重量(g) | 梱包単位 |
---|---|---|---|
サンヨーパック 小 | 200×250 | 約80 | 50個×2 |
梱包サイズ | 450×650×850 | 約8000 | 1ロット(100個) |
環境に優しいガムテープ 水テープ
サンヨーパックと合わせて、梱包時のガムテープ代替品として「水テープ」が選ばれております。
要領は「切手」と同じく、普段はサラサラしておりますが、粘着面に水分を付着させると粘着性が生まれます。
「クラフト紙」に植物性の糊材を使用しており、通常のガムテープよりも環境に優しい特性があります。
水テープ
水テープ(ガムテープ)は重ね貼りが可能なため、通箱などのダンボールケースを繰り返し使用することができ、資源&経費節約に高い効果をもたらします。また、三陽工業の水テープ(ガムテープ)は主に植物性の糊材を使用しており、水テープ(ガムテープ)から糊材に至るまで原材料を徹底厳選することで、環境保全に積極的に取り組んでいます。
一般水テープ
主にクラフト紙などを使用した水テープ(ガムテープ)の定番です。水テープ(ガムテープ)の上面には商品名や社名などを継ぎ目なく印刷することができ、梱包物の封函から広告宣伝まで用途多彩にお使いいただけます。
またリサイクルしやすいのも大きな魅力です。
■小包の包装やダンボール箱の封函など、幅広くお使いいただけます。
■社名や商品名などを印刷することができ、高い宣伝効果を期待できます。
■リサイクルしやすいクラフト紙などを使用し、高環境&低コストを実現できます。
■小ロットでの印刷が可能です
使用例:梱包物の包装・封函、印刷による広告宣伝など
印刷例:商品名、社名、ロゴマーク、説明文、注意書き(「取扱注意」など)
糸入り水テープ
クラフト紙を2枚貼り合わせ、その間に糸を組み込んだ水テープ(ガムテープ)です。強度に優れ、主に重包装や補強用にお使いいただけます。(角貼り専用の糸入り水テープ(ガムテープ)もあります。)
糸の組み込み方によって強度が異なりますので、お好みに合わせてお選びください。
使用例:重包装、 ダンボールの角貼り、梱包物の補強などダンボールの組み立てなど
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パルプモールド(複雑な立体成形が可能/高い緩衝性を備えた紙)
パルプモールドとは、リサイクルされたパルプ(主に古紙や再生紙)を水と混ぜて成形し、乾燥させて作る紙製の包装材や緩衝材で、複雑な立体成形が可能です。パルプモールドは、持続可能で環境に優しい包装材として注目されており、主に卵パックや電化製品・電子機器の緩衝材、紙製トレイなどに使用されています。
パルプモールドの特徴
- 環境に優しい:
リサイクルされた紙を原料としているため、持続可能で環境に配慮した素材です。使用後もリサイクル可能で、自然環境にやさしい製品です。 - 緩衝性・保護性:
立体的に成形されることで、製品を包み込み、衝撃を吸収するクッション性が高い包装材です。割れやすい物や精密機器の保護にも使用されます。 - コスト効率:
パルプモールドは比較的安価で、大量生産が可能なため、包装材としてコスト効率が高いです。また、製造工程で使われる型の変更により、さまざまな形状に対応できます。 - 形状の自由度:
パルプを型に流し込んで成形するため、複雑な形状の製品にも対応できます。たとえば、卵パックのように凹凸のあるデザインや、特定の製品にぴったりとフィットする形状を作ることが可能です。
パルプモールドの使用例
- 卵パック :最もよく知られている用途で、卵を衝撃から守るための保護材として使用されます。
- 機器の緩衝材:コンピュータ、スマートフォン、家電製品などの精密機器の保護材として使用され、輸送中の衝撃を吸収します。
まとめ
パルプモールドは、再生紙を使って成形された環境に優しい包装材・緩衝材です。リサイクル可能で、形状の自由度が高く、緩衝性や保護性が優れていることから、さまざまな用途で使用されています。特に、脱プラスチックの動きが進む中で、持続可能な包装材として注目を集めています。
環境配慮紙
上記で紹介した紙以外にも環境に優しい紙は多数存在します。
- FSC®森林認証紙
- ECFパルプ紙
- 混抄紙
これらの紙を有効活用することで、環境配慮の取り組みに生かすことが可能です。
FSC®森林認証紙
※画像は機能紙選定ナビを運営する㈱田村商店が取得したFSC認証ロゴマークです
現在、世界中で森林の破壊や劣化が大きな問題となっています。森林が破壊されるとそこに生息する貴重な動植物が失われるだけでなく、住民の生活環境の悪化や地球温暖化などが引き起こされます。しかし、私たちの生活において、木材をはじめ森林を活用しないということはできません。この森林が急速に破壊されているという状況を背景に設立されたのがFSC®です。
FSC®とは「Forest Stewardship Council®」(森林管理協議会)の略で、責任ある森林管理を世界に普及させることを目的とし、国際的な森林認証制度を運営している独立した非営利団体のことです。
FSCの認証は「組織」が対象となります。(※1)FSC認証を取得すると、FSC認証製品を製造し、FSCトレードマークを製品上に表示することが可能になります。
このFSC認証紙の意味合いとしては「環境破壊や社会問題につながらない適切に管理された森林から伐採された木材から作った紙」という証明になります。(だいぶ簡単にまとめました)
これにより紙製品に対する取り組みを消費者にアピールすることができ、FSC認証ロゴマークが記載されている紙製品を使用することが世界の森林保全につながります。
※1、さらに詳しく知りたい方はこちらクリック
FSCの認証は、森林から消費者まで林産物やそれを含む製品を扱うすべての組織が対象となりますが、製品を市場に届けるための継続的な認証としては、2種類の認証があります。FM(Forest Management、森林管理)認証とCoC(Chain of Custody、加工・流通過程)認証です。
FSCの認証木材は、FSCの責任ある森林管理の規格を満たした認証林から生産されます。森林が責任をもって管理されているかを審査し、認証するのがFM認証であり、認証林から収穫された認証材が消費者の手に届くまでの加工・流通過程を認証するのがCoC認証です。詳しくはこちら。
企業がFSC認証を取得したい場合は、FSC認証へのステップをクリアすることで取得することができます。詳しくはこちら。
FSC認証は、多くの消費者、環境団体、企業などから支持を集め、世界で最も信頼度の高い森林認証制度として国際的に知られています。
ECFパルプ紙
ECFとは 「Elemental Chlorine Free」(無塩素漂白)の略で、塩素を用いず漂白したパルプなのでECFパルプ(無塩素漂白パルプ)と呼ばれます。環境負荷が少ないことから、エコパルプとも呼ばれます。
白色度の高い紙を製造するためには、原料であるパルプ※を漂白する必要があります。無塩素漂白パルプは、漂白の工程中で塩素を漂白剤として用いないため、環境中への塩素化合物の排出が少なく、また完成した紙に塩素をほとんど含んでおりません。このため塩素化合物やダイオキシン類などの有害な塩素化合物の発生を抑えることが可能となるため、結果的に環境保全に繋がります。
※パルプとは?
パルプとは、主に製紙に用いるために分離した植物繊維のことです。現在は主に木材を原料としてパルプを製造しております。パルプ生産量の99%以上が木材パルプで、その大半は紙の主原料として用いられております。パルプは製造方法および原料植物によって収率や性質が異なります。水素結合を生じる繊維であれば製紙原料として使用できるため、草・藁・竹などの原料からパルプを抽出することも可能です。
製造方法によって機械パルプ、化学パルプおよび半化学パルプ(セミケミカルパルプ)に大別され、また原料によって木材パルプ、非木材パルプに大別されます。一概に「紙」と言っても、作成する「メーカー・品種」ごとに「製造方法・パルプ」が異なるので様々な種類の「紙」が存在するのです。
混抄紙
混抄紙(こんしょうし) という紙をご存じでしょうか?
紙の製造において、ほとんどは 木材の繊維(パルプ)のみで紙は造られます。
ですがこの混抄紙は、紙の材料に木材の繊維(パルプ)以外の素材を混ぜます。
そうすることで、一般的な紙にはない様々な特徴を紙に付与することができるのです。
下記リンクでは、様々な混抄紙のご紹介(弊社でも販売中)と、混抄紙を活用することで企業にどんなメリット・デメリットがあるかご紹介しています。
こんな用途に最適
・企業のブランド価値を出す方法の一つとして
・企業の販促活動の一環として
・環境資源の保護、SDGsの取り組みとして
まとめ
この記事では、「保護紙」「緩衝紙」「クッション紙」を総合的にご紹介し、多様な用途について詳しく解説しました。物理的な保護、美術品や資料の保護、さらには環境に配慮した紙の利用まで、弊社では幅広い視点から紙製品をご紹介しており、ニーズに応じた最適な商品を提案しております。(弊社では紙の相談や開発~加工~納品~アフターフォローまでワンストップサービスでご対応)
保護材や緩衝材に関する紙製品にご興味のある方、商品や資料の保護に最適な紙をお探しの方は、ぜひお問い合わせください。専門スタッフが無料でご相談に応じ、最適なソリューションを提供します。
▼この記事で紹介した紙
- 中性紙(pHが中性の紙)
ピュアSILティッシュ、ノンバッファー紙 - アルカリ性紙(pHがアルカリ性の紙)
AFプロテクト、AFプロテクトH、AFハードボード、アーカイバルボード - 薄葉紙(薄い紙)
グラシン紙、純白ロール紙、カラー薄葉紙、FSC®認証 薄葉紙、鮮度保持紙・グリーンパーチ紙 - 厚紙(厚い紙)
厚紙、紙器用板紙、特殊板紙、段ボール原紙、特殊硬質繊維ボ-ド - 低密度紙(クッション性を備えた紙)
フワットライト、青果物吸水紙、コースター原紙など - クラフト紙(強度、耐久性に優れた茶色い紙)
クラフト紙、再生クラフト紙、未晒クラフト紙、晒クラフト紙、両更クラフト紙、片艶クラフト紙、防湿クラフト紙、耐水クラフト紙、強化クラフト紙 - ボーガスペーパー(低コスト/環境に優しい紙)
- サンヨーパック(紙製緩衝材/クッション材)
- 水テープ(ガムテープの代替品/環境に優しいクラフトテープ)
一般水テープ、糸入り水テープ - パルプモールド(複雑な立体成形が可能な紙)
- 環境配慮紙(環境に優しい紙)
FSC®森林認証紙、ECFパルプ紙、混抄紙
弊社では、これらの紙製品を幅広く取り揃えており、各種カスタマイズ対応も可能です。ぜひ、保存や保護に最適な紙製品をお探しの方は、当サイトを通じてご相談ください。
紙の相談窓口|機能紙選定ナビについて
当サイト(紙の相談窓口)は株式会社田村商店が運営しております。弊社は1753年の創立以降、古くから「紙」の取り扱いをしておりました。
「紙」には多様な種類の紙が存在します。弊社では一般的な紙から、印刷用紙・包装用紙・情報用紙・家庭紙・画用紙・厚紙・板紙・薄葉紙・和紙・特殊紙・機能紙・環境配慮紙・工業用紙・産業用紙など、幅広い種類の紙を取り扱っております。
弊社では今回ご紹介した紙の他にも様々な紙を取り扱っており、紙の活用に関してお客様に最適な紙のご提案が可能です。
また、紙の加工に関しても弊社で対応が可能です。お客様のご希望サイズにカットして販売したり、折り・曲げ・穴あけ・接着・絞り加工など、幅広く対応いたします。お客様の用途に合ったオリジナルの紙の開発、紙を活用したオリジナル商品の作成依頼もお受けしております。
紙の活用でお悩みならまずはお気軽にご相談ください。今まで積み上げてきた歴史と経験で皆様をサポートいたします。
株式会社 田村商店 | 創立1753年の歴史が織りなす、紙のプロフェッショナル (tamura1753.jp)
田村商店が選ばれる理由
① 紙の相談窓口
国内の大手製造メーカー ~ 中・小規模製造メーカーまで、様々な紙を幅広く取り扱っているので、お客様の抱えている不満に対して最適な紙をご提案できます。
② 1から開発も可能
特定の条件をクリアした高機能な紙が欲しいなど、お客様のご要望に対応したオリジナル紙の開発・製造も可能です。既存の紙では対応できない場合にご提案いたします。
相談~開発~納品までワンストップサービスをご提供いたします。
③ 紙素材への切り替えサポート
環境への取り組みとして注目を集めている「SDGs / 脱プラスチック」これらの取り組みを『紙』を活用することで実現いたします。
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